研究課題/領域番号 |
19K06692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 有紀 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90508186)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 内皮-造血転換 / アクアポリン / 液胞 / メカニカルストレス / 内皮ー造血転換 / 血流メカニカルストレス |
研究開始時の研究の概要 |
血球および造血幹細胞は、胚発生中期に背側大動脈の血管内皮細胞の一部が分化転換することによって生み出される。内皮-造血転換は、血流に起因する剪断応力刺激により引き起こされるが、その分子機構はほとんど解明されていない。本研究では、水チャネルAQP1を介しておこる血管内皮細胞の出芽・遊離現象を糸口に、AQPとの関わりが示唆されているメカニカルストレス作動性の転写因子KLF2およびCa2+チャネルTRPV4の機能解析を行う。血管と血球は、どちらが欠けても生理機能を果たすことができない。このような関係性にある細胞群の分化制御機構を明らかにすることで、循環器形成メカニズムの統合的な理解につなげる。
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研究成果の概要 |
造血幹細胞は、胚発生期に背側大動脈の血管内皮細胞が分化転換することにより生まれる。この過程を経て血管から遊離した細胞群の一部が血流に乗って骨髄まで移動し、造血幹細胞として維持される。内皮-造血転換現象の解明は、造血幹細胞の成り立ちの理解および造血制御法の開発へと直結する重要な課題 である。本研究では、水チャネルAquaporin (AQP)を介した細胞内への水分子流入が内皮-造血転換の際に起こる細胞球状化の直接的な要因であることを明らかにした。またこの過程において、メカニカルストレス作動性のTRPチャネル分子群が関わる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内皮-造血転換過程において、血管から生み出された造血幹細胞が多分化能を獲得する際に働く分子メカニズムは解明されつつある。一方でなぜ内皮-造血転換を起こす細胞が特定の血管部位に限定されているのか、また扁平な血管内皮細胞を球状の造血幹細胞へと変化させる際に直接的に働く分子機構は未解明であった。本研究から、水チャネル分子AQPを介して血管内の水分子を細胞内へ取り込むことにより細胞が球形化することが判明した。この発見をきっかけに、今後、mechanophysioloyの観点からの造血現象理解が進むことが期待される。
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