研究課題/領域番号 |
19K06693
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
遠藤 充浩 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (40391883)
|
研究分担者 |
須田 年生 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 卓越教授 (60118453)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 多能性幹細胞 / 胚性幹細胞 / ES細胞 / 多能性 / リソソーム / 転写因子 / 初期発生 / 幹細胞 / ライソソーム / アミノ酸代謝 / ナイーブ型 / 代謝 / 着床 / 発生 / シグナル伝達 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
胚の着床前後では栄養代謝の相違が予想されるが、多能性への影響とメカニズムは不明である。着床前胚から作製される胚性幹細胞(ES細胞)と、着床後胚から作製されるエピブラスト幹細胞は、それぞれナイーブ型、プライム型と呼ばれる異なる形質を持つ多能性幹細胞である。本研究では、アミノ酸センシング機構として働くFLCN-RagGTPase-TFE3/B経路による栄養代謝の役割に注目し、ナイーブ型とプライム型の多能性の決定・維持への関与を明らかにする。またこの代謝経路と、転写因子ネットワークおよびエピジェネティクスとのクロストークの解析を行い、多能性幹細胞を規定する種を超えた普遍的な分子機構の理解を目指す。
|
研究成果の概要 |
ES細胞でFlcnを欠損させると、Tfe3が恒常的に核内に局在してLIF非依存性に自己複製するようになるが、Tfe3をさらに欠損させるとその表現型は失われた。Tfe3の強制的活性化により同様の表現型が誘導され、カノニカルWNT経路の活性化が起こること、その表現型がナイーブ型多能性因子EsrrbとNanogに依存することが分かった。Tfe3/Tfeb両欠損ES細胞は樹立・維持が不可能であることからTfe3/Tfebは協調的にES細胞維持に寄与すると考えられる。恒常的にTFE3を活性化させたマウス胚盤胞が試験管内で一定期間維持可能であることからTFE3が着床前胚の維持に寄与する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスES細胞および初期胚を用いた研究を通して、リソソーム生合成のマスター転写因子であるTFE3を活性化させることにより、着床前胚の多能性状態を維持することが可能であることが分かった。この研究成果は、リソソームを介したエネルギー代謝活性の変化が多能性の遷移に関与する可能性を明らかにした点において、学術的に重要な知見である。
|