研究課題/領域番号 |
19K06696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
加藤 健太郎 杏林大学, 医学部, 講師 (30733068)
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研究分担者 |
粟崎 健 杏林大学, 医学部, 教授 (60359669)
平井 和之 杏林大学, 医学部, 講師 (70597335)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 脱分化 / グリア細胞 / ショウジョウバエ / 増殖 / 中枢神経系 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に、分化した細胞は増殖しない。分化している細胞の増殖は組織の損傷時に起こり、組織の修復に貢献する。現在までのところ、このような分化細胞の増殖というような細胞の可塑性を支える仕組みについて十分に探索されているとは言えない。 本研究では、申請者らが発見した、ショウジョウバエ発生過程で脱分化し、増殖する細胞系譜に着目し、これを支える分子機構の解明を目的とする。脱分化・増殖の基盤的知見の集積に貢献し、より高度で複雑な哺乳類の損傷時における細胞の可塑性の分子基盤の理解にもつながると期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、申請者らがこれまでに見出した中枢神経系グリア細胞の脱分化・増殖をモデルとして、分化した細胞が再び増殖できる様になる、その仕組みを明らかにすることを目的としている。前年度までにこの仕組みに関与する遺伝子をノンバイアスで探索し、新たに二つの関連遺伝子を同定している。 本年度は、新規に同定したこれらの遺伝子と、文献から関連を同定したホルモン受容体、その下流の転写因子、以前の研究から関連を明らかにしている増殖因子がどのように関わるかの解析を進めている。これらの遺伝子の発現操作がもたらす他の遺伝子の発現への影響、例えばそれぞれの関連遺伝子の発現や細胞分裂関連遺伝子の発現を網羅的に解析することを目的に、一つの脳に50個程度しか存在しない標的グリア細胞からのRNA精製とそのシークエンスを試みた。しかしながら解析方法の確立には至らず、現在は別のアプローチとして遺伝学的にこれらの遺伝子の相互作用の解析を進めている。新しく同定した二つの遺伝子、ホルモン受容体、下流の転写因子、増殖因子を遺伝子操作によってそれぞれ発現低下、過剰発現させ、これらの遺伝子操作の組み合わせによって遺伝子相互作用の解析を行っている。ここまでの解析では新規に同定した二つの遺伝子は脱分化・増殖開始を促進することが示唆されたが、ホルモン受容体の抑制による表現型を打ち消すことや、過剰な増殖因子による増殖促進をさらに促進する様なことは観察されていない。同じ分子が脱分化・増殖開始の前後で異なる働きをすることを示唆する結果も得られており、現在、それぞれの分子の働きをより明らかにするべく進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ここまでに同定した関連遺伝子がお互いにどの様に関わり合うのかを解析する一環として、わずかな細胞数からの発現RNAの精製とそのシークエンスによる網羅的な解析を狙い、このための実験系の確立に時間を多く使った。残念ながら実験系を確立するに至らなかった。また、全脳における対象グリア細胞の細胞数の自動計数により遺伝子操作の影響を比較しているが、遺伝子操作によっては計数のための細胞標識に影響がありこれに対応するために予定より時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
主に研究計画に従って進める。昨年度中に終えるはずであった実験を本年度に推し進める。また、それぞれの関連分子の操作と細胞周期関連分子の発現との関連の解析を進めることを計画している。
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