研究課題
基盤研究(C)
物質、エネルギー代謝は生命活動の中心的な役割を担っている。それらを構成する酵素がどのように誕生し、新しい代謝経路が出現したのかは、生物進化の研究において最も興味深い問いの一つである。酵素は生理的な役割を担う触媒活性以外に、生理的には意味のない触媒活性(Promiscous activity)を併せ持っている。本研究の目的は、このPromiscousな活性がどのようにして新しい酵素の誕生へとつながったのかを明らかにし、酵素の誕生と進化のモデルを提案することである。
物質、エネルギー代謝は生命活動の中心的な役割を担っている。それらを構成する酵素がどのように誕生し、新しい代謝経路が出現したのかは、生物進化の研究において最も興味深い問いの一つである。本研究において、植物のクロロフィルを分解する酵素がクロロフィル分解とは関係のないバクテリアの遺伝子由来であることが明らかになった。この結果は、バクテリアの酵素が潜在的に持っていた活性が遺伝子の水平伝播により発揮され、新しい代謝経路の構築に利用されたことを示している。
学術的な意義:本研究は、酵素が潜在的に持っている活性が、進化の過程で新しい代謝系の構築にどのように利用されてきたかを調べたものである。クロロフィル代謝系を研究対象とし、生化学的な手法によりその解明に取り組んだ。この研究は、酵素が潜在的に持つ多様な活性という分子的な実体に基づいて代謝系の進化の解明に取り組んだ点に意義がある。社会的な意義:本研究の成果は、遺伝子の改変による人工的な代謝系を利用した有用物質の生産などに応用できる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
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