研究課題/領域番号 |
19K06709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
本瀬 宏康 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (70342863)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 先端成長 / 仮根 / ゼニゴケ / 微小管 / キナーゼ / 極性成長 / 細胞極性 / 仮根細胞 / コケ植物 / 成長極性 / NIMA関連キナーゼ / キネシン |
研究開始時の研究の概要 |
細胞が一定方向に伸長する極性成長は様々な生物で見られる現象で、形態形成や生殖過程に不可欠であり、細胞構成要素の組織化という普遍的な問題を内包している。特に、植物の花粉管・根毛・仮根・原糸体は明瞭な極性のある先端成長を行うため、良いモデル系である。先端成長では微小管やアクチン繊維といった細胞骨格が重要であるが、その成長方向の決定と維持の仕組みはほとんどわかっていない。本研究では、基部陸上植物ゼニゴケの仮根細胞を主なモデル系として、植物細胞の成長方向制御機構を解明する。
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研究実績の概要 |
細胞は非対称性を獲得し、一定の方向に成長することで、その機能に適した形態を獲得する。植物細胞の成長方向は、細胞骨格の微小管により制御されるが、微小管がどのように調節され、どのような機能を果たしているのか、未だ不明な点が多い。そこで、ゼニゴケの仮根細胞をモデル系として極性成長の機構を解析した。仮根細胞は、葉状体腹側の表皮細胞が分化して形成され、その1部が伸び出すことでフィラメント状に伸長する。しかし、どのように成長方向が決定され、維持されるのかについてはほとんど分かっていない。 仮根細胞の成長方向を制御するNIMA関連キナーゼ(MpNEK1)とその相互作用因子の機能を解析した。MpNEK1は仮根先端に局在し、先端の微小管束のターンオーバーを促進することで、成長方向を安定化することを示した。MpNEK1と相互作用するタンパク質を約400特定し、仮根伸長に関わる新規な因子を明らかにした(Mase et al. 投稿予定)。加えて、MpNEK1によりリン酸化されるタンパク質の特定を行った。MpNEK1は微小管付随タンパクと相互作用し、微小管構造を制御して協調的に機能することを明らかにした。特に、植物固有のアルマジロリピートキネシン(MpARK1)が、MpNEK1と相互作用すること、核や色素体を仮根の先端方向に移動させること、仮根先端の微小管束の形成に必要なことを明らかにした(Kanda et al. 2023)。 加えて、仮根細胞の成長を観察する培養方法を確立し、この方法を用いて、MpNEK1の変異体を解析した。その結果、仮根の一定方向への成長が土壌への進入に必要であることを明らかにした(Mase et al. 2022)。また、MpNEK1の発現誘導株を用いることで、MpNEK1が細胞伸長と細胞分裂の両方に関わることを明らかにした(Mase et al. 2023)。
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