研究課題/領域番号 |
19K06714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
堀口 吾朗 立教大学, 理学部, 教授 (70342847)
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研究分担者 |
古賀 皓之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (30783865)
前川 修吾 立教大学, 理学部, 助教 (80711209)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / リボソーム / リボソームストレス応答 / NAC型転写因子 / E3 ubiquitin ligase / ユビキチンリガーゼ / リボソームストレス / RING finger タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
リボソームは細胞内で最も複雑なRNA-タンパク質複合体であり、翻訳を制御する必須の因子である。その生合成は極めて複雑であり、合成エラーがしばしば起きる。これを放置すると、誤翻訳により細胞の恒常性が損なわれると考えられる。動物では、リボソーム生合成異常は、p53を活性化し、細胞周期や細胞死を導くことで、がん化が抑制される仕組み、すなわちリボソームストレス応答が知られているが、植物では、その存在がごく最近になって示されたばかりである。本研究では、リボソームストレス応答に関わる正、負の制御因子を遺伝学的、生化学的に同定し、その作用機構をタンパク質レベルで明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
翻訳を担うリボソームの生合成は非常に複雑で、その生合成エラーは避けることができない。このような細胞の生存を脅かすエラーに適切に対処する仕組み、すなわちリボソームストレス応答は、動物細胞で詳細に解析されているが、植物では解析が始まったばかりである。本研究ではシロイヌナズナを用い、RING fingerタンパク質SZK2がRPL12を基質とするE3 ubiquitin ligaseであり、リボソームストレス応答の正の制御因子であること、およびSZK2と相互作用するリボソームストレス応答の負の制御因子などを見出した。また異常型リボソームタンパク質の存在がリボソームストレスを誘導しうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物のストレス応答のマスター因子であるp53のホモログは植物には存在しない。そのため、植物のリボソームストレス応答の実体はほとんど不明であった。本研究ではRING finger タンパク質であるSZK2がRPL12を基質とするE3 ubiquitin ligaseであり、リボソームストレス応答の正の制御因子として働くことを示した。また、これらの周囲で働くと考えられる多数の因子の同定にも成功した。これらの成果は、植物独自のリボソームストレス応答機構の存在を証明するとともに、植物のストレス応答研究に新たな展開をもたらすものと期待される。
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