研究課題/領域番号 |
19K06718
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
岩元 明敏 神奈川大学, 理学部, 教授 (60434388)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ゲノム倍数化 / シロイヌナズナ / 高次倍数化 / 同質倍数化 / 成長解析 / FISH / Whole Mount FISH / 染色体束化 / 根端成長 / 培地固化剤 / 寒天 / ゲランガム / Whole-mount FISH / 根端成長解析 |
研究開始時の研究の概要 |
植物のゲノムが高次倍数化した場合、成長にどのような影響が出るか、また染色体の動態とどのような関連があるかは十分には明らかになっていない。本研究では、細胞動力学的手法と独自の数理モデルを組み合わせた解析によって、シロイヌナズナの高次倍数体の根端成長を解析する。これにより、高次倍数化が根端成長のどの側面(細胞増殖、体積増大、器官維持)に、どのような根端の位置で影響しているかを明らかにする。さらに高次倍数体における染色体の動態を解析し、数理モデル解析により明らかになった成長変化との関連性も検討する。
|
研究成果の概要 |
シロイヌナズナ同質倍数体系列の根端を対象に、細胞動力学的手法を用いた定量解析を行った。その結果、4倍体では2倍体と比較して体積増大が亢進していたが、細胞増殖は抑制されていた。高次の倍数体である6,8倍体では、体積増大と細胞増殖の両面で抑制が生じていた。これら同質倍数体について、茎葉細胞を用いてセントロメアをプローブとするFISH解析を行った結果、倍数化が進むほど染色体の束化が進んでいた。 さらに倍数体系列の根端を直接用いたWhole mount FISHを行った。その結果、細胞増殖域ではいずれの倍数体でも同程度の染色体束化が生じるが、体積増大域では倍数化が進むほど束化も進む傾向が見られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色体が通常より増えるゲノム倍数化は、植物では一般的に起きる。本研究により、ある程度までの倍数化は細胞体積の増大をもたらすが、ゲノム倍数化が進み過ぎると細胞増殖と体積増大の両方が抑制されることが示された。また、この成長の抑制は増えた染色体同士が互いにくっつく染色体束化と関連することを明らかにした。この成果は、将来的にゲノム倍数化を利用した生産性の高い新品種の開発などにつながるという意義がある。
|