研究課題/領域番号 |
19K06719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
西村 泰介 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10378581)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エピジェネティクス / DNAメチル化 / エピ変異体 / シロイヌナズナ / 表現型可塑性 / 細胞リプログラミング / 植物 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA メチル化は遺伝子の発現に深く関与するDNAにおける化学修飾である。植物においてDNAメチル化が、環境に応じた細胞機能・形態の変化(表現型可塑性)に関与すると予想されているが、どの遺伝子のDNAメチル化の変化がこれらの細胞応答に関与するかは明らかになっていない。本研究では、染色体上のDNAメチル化が部分的に野生型と異なっている系統群を利用することで、このような遺伝子群を同定する。さらに、これらの遺伝子の発現制御機構を解析する事で、植物でDNAメチル化が表現型可塑性を維持する因子として作用するかを検証する。
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研究成果の概要 |
DNAメチル化の変化によって環境応答や形態形成に関連する表現型を引き起こしたと考えられる3種類のエピ変異体の表現型解析と原因遺伝子の同定を行い、以下の成果が得られた。(1)脱分化・再生過程に関わる機能未知の新規遺伝子を見出した。この遺伝子は系統間で多様なメチル化パターンを示したことから、この過程で観察される系統間の違いを反映している可能性がある。(2)病原菌抵抗性を示すエピ変異体は感染時にのみ免疫関連遺伝子の発現が野生型より上昇していた。(3)オーキシン信号伝達に関連する葉の形態異常を示すエピ変異体では原因候補遺伝子を1番染色体と4番染色体上のそれぞれに2ー3遺伝子まで特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで報告されているエピ変異体は自然界に存在するものや偶発的に得られたものがほとんどであった。本研究によりエピ変異体のリソースとしてエピジェネティック組換え自殖系統群を用いることで、特定の表現型を示すエピ変異体の単離が可能であり、このようなエピ変異体では表現型が安定に遺伝することから、連鎖解析で原因遺伝子座を特定できることが示された。また病原菌抵抗性を示すエピ変異体では病原菌に感染した時のみ免疫関連遺伝子の発現が野生型より高く、従来の突然変異体や遺伝子組換え植物のように常に免疫機能を改変させ通常の生育にも影響を及ぼす植物とは異なる特性をもつ植物を得られた。
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