研究課題/領域番号 |
19K06727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
平川 有宇樹 学習院大学, 理学部, 助教 (60736669)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分裂組織 / ゼニゴケ / CLEペプチド / 受容体 / オーキシン / 分枝 / ペプチドホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
植物の成長において、成長軸を増やす分枝はきわめて重要なイベントである。分枝には単軸分枝と二叉分枝の二種類の型が存在するが、主にシダ植物やコケ植物に見られる二叉分枝については、分子レベルでの制御機構がほとんど明らかになっていない。本研究では、ゼニゴケにおいて二叉分枝の調節に関与することが示唆されたMpCLE2ペプチドを対象とし、その作用を細胞・分子レベルで解明することを目的として細胞マーカーを用いた分枝動態の観察とこの過程で働く遺伝子の機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
植物は体の頂端部に分裂組織を維持し、長期にわたる成長を実現している。コケ植物ゼニゴケでは、MpCLE2ペプチドホルモンが分裂組織を増やし、植物体の分枝を促進する活性を持つ。本研究ではその作用機序の解明を目指した。透明化処理後の分裂組織を観察したところ、MpCLE2が幹細胞領域の細胞数を増やす働きを持つことを明らかにした。またMpCLE2を細胞が受容する分子機構として、既知のMpCLV1受容体に加えてMpCIK共受容体が必要であることを示した。さらにMpCLE2シグナルの標的遺伝子の候補として転写因子の一種を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CLE-CLV1-CIKが陸上植物に保存された情報伝達分子として、分裂組織の幹細胞活性を調節することが示唆された。ただし、ゼニゴケCLEは幹細胞領域のサイズ調節で促進的に働くことから、シロイヌナズナ等の被子植物で知られたCLE/CLV3の幹細胞活性抑制性活性とは異なっている。本研究で明らかとなった幹細胞維持促進活性は、これまで報告されていない新たなCLEの機能と考えられる。今後、ゼニゴケCLEの作用機序をより詳細に解析することで、陸上植物に共通の幹細胞維持機構を解明する手掛かりになるとともに、農作物種での収量調節にも貢献するものと期待される。
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