研究課題/領域番号 |
19K06735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 青森大学 (2021) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
中本 章貴 青森大学, 薬学部, 准教授 (40738100)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 形態形成 / 細胞極性 / 分裂装置 / 進化 / 発生進化 / MAPK / 境界形成 / 形態進化 |
研究開始時の研究の概要 |
胚発生において細胞がどのように協調して振る舞い新しい形を創り出すのかを明らかにすることは重要な課題の1つである。特定の領域における個別の形態形成の仕組みは詳細に明らかにされているが、空間的時間的に異なる形態形成運動がどのように連動しているのか、どのような力学的カスケードが関与してるのかは十分には明らかにされていない。また、細胞の振る舞いにどのような変化が生じ、新しい形態が進化したのかについても不明な点が多い。本研究は脊索動物ホヤ胚を用い、胴部と尾部の境界を創り出す「くびれ」という上皮形態形成の仕組みを分子、細胞、力学的な観点から明らかにするとともに、形態進化との関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脊索動物ホヤ胚は、形態形成の仕組みを個々の細胞レベルで解析するのに適した系の1つである。ホヤのオタマジャクシ幼生が形作られる過程では、胴部と尾部の境界に砂時計型の「くびれ」が形成される。本研究では、マボヤ(Halocynthia roretzi)を用い、「くびれ」形成機構の解析を行った。その結果、将来胴部となる前方の上皮細胞と将来尾部となる後方の上皮細胞が、明瞭な境界を保ちつつ異なった方向に分裂することによって「くびれ」が形成されることが明らかとなった。このような分裂方向の違いによって「くびれ」や「凹み」が形成される仕組みはこれまで報告されておらず、本研究は形作りの新原理を提供するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の胚発生過程では、細胞が適切な位置に配置されることによって、複雑で精密な構造の組織や器官が形成される場合がある。例えば、ある一定の方向に沿った細胞分裂によって組織が伸長したり、厚みが増加することが知られている。しかしながら、方向性を持った細胞分裂がそれ以外の形態形成に関与するのかは明らかではなかった。本研究の学術的意義は、方向性を持った細胞分裂が上皮細胞層の「くびれ」形成に関与することを初めて明らかにしたことである。本研究成果は、組織、器官、体全体の形づくりの更なる理解に繋がると考えられる。
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