研究課題/領域番号 |
19K06736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷口 俊介 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00505331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 原腸陥入 / トロポニン / 細胞形態 / 形態形成 / ウニ |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で、筋収縮制御因子であるトロポニン複合体の一部が、陥入中の原腸細胞に発現しているという新たな事象を発見していた。そこで、本研究では、原腸陥入中のトロポニンの働きを詳細に調べ、非筋細胞の形態変化を担うアクチン-ミオシンの収縮制御機構に、トロポニンを軸とした全く新しい知見を提供することを目的とする。今回は、トロポニン機能阻害下での原腸細胞形態を定量的に検出するとともに、トロポニン複合体の構成成分を質量分析によって解析することで、細胞形態変化におけるトロポニンの作用機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
多細胞動物の単純な細胞シートが陥入を経て原腸を作る過程の分子メカニズムを完全に説明するにはまだまだ情報が不足している。そこで、本研究ではウニ胚で一層の細胞シートが陥入して原腸を作り上げる過程において、トロポニンが非筋肉細胞で担う働きを明らかにすることを目的とした。トロポニンは遺伝子タンパク質共に陥入中の原腸細胞で発現していること、また、その機能抑制により原腸が陥入しなくなることを明らかにした。さらに、in vitroアッセイで筋肉のアクチンミオシンの相互作用を止める役割を担っている可能性を示す結果を得ることができた。これは筋肉成分と考えられていたトロポニンの新たな機能を示す成果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トロポニンはトロポミオシンと並んで、筋肉が弛緩状態にある時に働く主成分であり、アクチンとミオシンの相互作用を阻害する役割を持つ。また、骨格筋と心筋のみでその発現が示されてきたため、筋肉成分とされていた。しかし、今回の研究でトロポニンは筋肉と全く関係のないウニの陥入中の原腸細胞で発現していることが明らかになった。さらに、ヒトにおいても内臓などの骨格筋とは無関係な場所での発現も見られた。加えて、機能抑制するとウニで原腸陥入が起きなくなることから、非筋細胞でも細胞の形を変えることに働いていることが明らかになった。本成果は他の動物においてもトロポニンの発現や機能を再検証してみるべききっかけになる。
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