研究課題/領域番号 |
19K06738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金森 章 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (40324389)
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研究分担者 |
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60263125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ミュラー管 / ウォルフ管 / 真骨魚 / 全ゲノム倍化 / 配偶子輸送管 / 体腔上皮 / WNT / wnt4 / 輸卵管 / 輸精管 / ゲノム編集 / ヤツメウナギ / 軟骨魚類 / 全ゲノム倍加 / 全ゲノム重複(WGD) |
研究開始時の研究の概要 |
真骨魚に起こった体の作りの変化として最も顕著なもののひとつに、配偶子輸送管が新しく作り直されているようにみえることがある。真骨魚以外の脊椎動物では輸卵管はミュラー管、輸精管はウォルフ管という、生殖巣の外に形成された管由来だが、真骨魚では両者ともに生殖巣内部に新しく管を形成している。 真骨魚はどのようにして、この大きな形態形成の変化を進化させることが出来たのだろう?それとも大きくみえて、ミュラー管やウォルフ管の変形にすぎないのだろうか?本研究ではこの2つの仮説のどちらが正しいのか問い、研究の進んでいるマウスの配偶子輸送管関連遺伝子群の発現や機能を、実験のしやすいメダカで検証する。
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研究成果の概要 |
ほとんどの脊椎動物で輸卵管はミュラー管、輸精管はウォルフ管に由来するが、真骨魚では両者ともに生殖巣内部に新しく管を形成している。ドラスティックに見えるが、ミュラー管の変形にすぎないのだろうか? 哺乳類ミュラー管形成に必須な遺伝子の一つ、wnt4に着目し、メダカのwnt4ホモログ,wnt4a変異体の表現型を観察した。wnt4a変異体ではオスメス共に生殖巣後半につながる伸長部が体腔内に留まり、野生型では膀胱の腹側で伸長する配偶子輸送管が全く形成されなかった。このことは真骨魚が哺乳類との共通祖先で存在していたミュラー管形成の遺伝子ネットワークを利用し独自の配偶子輸送管を進化させた可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進化の過程ではドラスティックな形態の変化が多々見られるが、注意深く調べて行くとそれまでの遺伝子ネットワークを巧妙に利用していることがわかることもある。本研究では真骨魚(teleost)にのみ見られる配偶子輸送管の形成に、他の脊椎動物のミュラー管の形成過程で重要なwnt4が関わっていることを明らかにし、新しい形態形成機構の進化機構に重要な知見を得たといえる。
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