研究課題/領域番号 |
19K06743
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
峰雪 芳宣 兵庫県立大学, 理学研究科, 客員研究員(研究員) (30219703)
|
研究分担者 |
玉置 大介 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (20793053)
中井 朋則 兵庫県立大学, 理学研究科, 助教 (60347531)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 分裂準備帯 / 微小管 / preprophase band / cdk / actin / 核・細胞質相互作用 / PPB / cyclin-dependent kinase / アクチン |
研究開始時の研究の概要 |
植物の細胞分裂面挿入位置は、G2期に細胞表層の幅広い微小管帯として出現した分裂準備帯(PPB)が徐々に狭くなり、狭くなったPPBの細胞膜ドメインが表層細胞分裂面挿入予定域として特殊化されることで決定する。我々はPPBが狭くなる過程で、アクチン繊維が微小管を直接束化していることを示す電子線トモグラフィー像を捉えている。また、この過程には核からのシグナルが必要なことに気づいた。そこで、本研究では、この幅狭PPB形成を誘導する核由来の因子同定と、ライブイメージングによるアクチン繊維の微小管束化の直接証明を試み、それらに関与する分子との関係を調べることで、この幅狭微小管帯形成の分子機構に迫る。
|
研究成果の概要 |
植物の細胞分裂面挿入位置はG2期に出現する微小管が帯状に並んだ分裂準備帯(preprophase band, PPB)の幅が狭くなる過程で決定される。本研究では、タマネギ根端分裂組織のRNA-seq解析と免疫蛍光抗体法による細胞内分布解析から、PPB形成過程に、CDKA1;1(cdc2)以外にCDKB1;1も関与していることを示すことができた。また、タバコ培養細胞のPPB形成過程の微小管とアクチンのライブイメージング解析から、PPB幅が狭くなる過程で、PPBの両端にアクチンが高密度に局在する時期があることを見つた。このアクチンウォールがPPB端での微小管の拡散を防いでいる可能性が考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、PPBが狭くなる過程に新しいCDKの関与を示唆する事ができ、また、アクチンウォールが微小管帯の拡散を防ぐという新しい考えを示せた。植物の発生では、細胞分裂の際に新しい細胞分裂面がどこに挿入されたかで、娘細胞の将来の運命が左右される。幅の狭くなったPPBの領域が表層細胞分裂面挿入予定域(cortical division zone, CDZ)として細胞分裂の最後で細胞板の端が接続する場所になると考えられるため、PPBの幅が狭くなる過程の分子機構を明らかにすることは、植物の細胞レベルでの形態形成の最も重要な素過程の分子機構解明への新しい道を開くことにつながる。
|