研究課題/領域番号 |
19K06750
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
西川 正俊 法政大学, 生命科学部, 准教授 (30444516)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 細胞表層 / 生物物理 / 体軸形成 / キラリティ / 左右軸形成 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
1つの受精卵が多細胞生物の複雑な形をつくりだすには,胚の中で前後・背腹・左右の体軸を確立することが必要である.本研究は,線虫の胚発生において左右非対称性を生み出す機構を解明する.線虫胚においては,4細胞期に細胞分裂軸が回転して左右非対称な細胞配置になることで左右軸が決まる.このとき細胞間の張力バランスがくずれて変位するが,押し合いながら変形・変位する力学を記述することは困難である.そこで深層学習により細胞核の変位モデルを構築し,実験データの予測をめざす.そして,提案手法とRNAiスクリーニングにより細胞変位の安定性を調べ,胚の左右非対称性を実現する分子機構を明らかにする.
|
研究成果の概要 |
線虫の胚発生における体軸形成を担う細胞運動のしくみの理解を目指し、ディープラーニングを用いた細胞核の座標予測を行った。まず、原腸形成の陥入運動データを使って本手法の妥当性を確認した。そして、左右軸形成における細胞運動の予測モデルを構築した。構築したモデルは、胚の圧縮により生じる細胞運動の変化を高精度に捉えることができることが確認できた。さらに、この細胞運動と細胞表層のトルク発生の関係を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胚発生では大規模な細胞運動が生じる。細胞は張力を発生し、周りの細胞と押し合いながら、変形しながら変位する。このような複雑な運動を理解するのは困難である。そこで、本研究では、ディープラーニングを用いた細胞核の座標予測を提案した。ディープラーニングをはじめとする人工知能は、正確に記述するのが困難な課題に対して、学習によりモデルを最適化して答えを与える技術であり、注目されている。発生ダイナミクスの予測をこの技術の新しい適用分野として提案した点において、この技術の汎用性を示している。
|