研究課題/領域番号 |
19K06754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 総合研究大学院大学 (2020-2022) 北海道大学 (2019) |
研究代表者 |
渡邊 崇之 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 助教 (70547851)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 性的二型 / doublesex 遺伝子 / 表現型可塑性 / 逃避行動 / 攻撃行動 / 行動戦略多型 / 闘争行動 / 性的二型神経回路 / 密度効果 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は、栄養状態や社会環境などの環境条件に応じて、表現型を柔軟に変化させる。この表現型可塑性と呼ばれる現象は、単なる形態レベルの可塑性にとどまらず、動物においてはその行動戦略にも多様性が生じることが知られている。本研究は、成虫雄コオロギの示す闘争行動をモデルに、行動戦略多型の神経発生学的メカニズムを明らかにする。成虫雄コオロギは、テリトリーや配偶者を巡って儀式的な闘争行動を示すが、この闘争行動には密度効果に依存した攻撃性の“激しさ”の多型が存在する。本研究では、雄の脳内で闘争行動の行動様式を司ると考えられる性的二型神経回路網に着目し、行動多型を司る神経基盤の実態を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、密度効果に応じて生じる表現型可塑性に伴いオスの攻撃性が変容することが知られるコオロギを材料に、その背景にある神経メカニズムを探るべく研究を展開した。表現型可塑性に伴い発現変動する遺伝子の候補として神経ペプチドなどの内分泌因子を念頭に RNA-seq 解析を進めたが、密度効果により発現変動する遺伝子数が想定よりも少なく仮説検証に至らなかった。一方、オスの攻撃行動がオス固有の行動要素を含むことから、脳の性差を作る doublesex 遺伝子についてのかいせきを進めた結果、コオロギdoublesex 遺伝子の分子進化速度の著しい亢進を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昆虫の神経回路の性決定を担う doublesex 遺伝子の進化について、コオロギ類で極めてイレギュラーな進化が起きていることが明らかとなった。性決定因子の進化に関する知見としては、他に類を見ない発見であり、今後さらなる研究の推進が必要と考えられる。(現在、成果報告のための追加実験を進めており、詳細についてはここで記載することを控えたい)
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