研究課題/領域番号 |
19K06758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小島 大輔 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60376530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 光受容 / ゼブラフィッシュ / 体色変化 / 網膜 / オプシン / 錐体 / 松果体 / 転写制御 / 背地適応 / ノックアウト / 色覚 / 転写因子 / メラトニン / 光生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
動物は光環境への応答の一つとして、周囲の明暗や色に合わせて自身の体色を変化させる。真骨魚類ゼブラフィッシュを用いたこれまでの研究から、個体の成長とともに体色変化パターンが幼生型から成魚型へと転換すること、また、体色を制御する光センサーの存在部位が幼生と成魚では異なることがわかっている。本研究ではゼブラフィッシュを用いて、幼生型・成魚型それぞれの体色変化を制御する光センサー分子を特定する。さらにこの光センサー分子を起点とした光センシング機構を細胞~個体レベルで明らかにし、成長過程での体色変化パターン転換との関連を検証する。
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研究成果の概要 |
動物の光環境応答行動として、ゼブラフィッシュの体色変化の様式が成長過程でスイッチングすることに注目し、光センシング機構の分子メカニズムを解析した。その結果、成魚型の体色変化を制御する光受容分子群を同定し、また、幼生型の体色変化を光制御する分子の特性を明らかにした。さらに本研究では、動物の環境応答行動を制御する光センサー細胞がどのような制御を受けて多様化・機能分化しているか、という点に着目した解析を行い、網膜の青錐体細胞の分化や特異的遺伝子発現を制御する鍵分子を同定した。また、体色変化を引き起こすホルモンの内分泌器官、松果体に特異的な遺伝子発現をもたらす転写因子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境刺激に応答して体の一部を変化させる「体色変化」は古くより多くの研究者の興味を惹き付けてきた研究課題であるが、その環境応答性の分子メカニズムは未だに謎が多い。また私たちが発見した「体色変化パターンのスイッチング」は、発生・成長における個体レベルの光応答性の転換という点で非常にユニークな現象である。本研究では、このスイッチング前後で光応答を制御する光センサー分子群を同定し、また、その波長特性を明らかにした。さらに、光センサー細胞の発生・分化に関わる転写因子群の同定にも成功した。今後本成果を発展させることにより、光応答性スイッチングのメカニズム解明へつながると期待される。
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