研究課題/領域番号 |
19K06769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
明石 真 山口大学, 時間学研究所, 教授 (30398119)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 概日時計 / 概日リズム / 時計遺伝子 / Period / Cryptochrome |
研究開始時の研究の概要 |
概日時計に必須な抑制型時計遺伝子を標的として概日転写調節配列をゲノム編集によって特異的に破壊した細胞株を作成し、細胞自律的な概日リズムに及ぼす影響を検討する。さらに、個体レベルでも概日リズムへの影響を検討する。そのため、細胞実験同様に概日転写調節配列が破壊されたマウスを作成して概日リズム解析を実施する。概日リズムが検出されるならば、転写振動機構は概日時計の中心的な振動発生源とは言えない。
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研究成果の概要 |
CryとPerの両遺伝子における細胞自律的な転写リズムが概日時計の振動中枢だと考えられてきたが、この転写リズムが概日時計の機能発現に不可欠か否か不明なままだった。今回、Cry遺伝子の細胞自律的な転写リズムを停止させて概日時計への影響を調べた。その結果、Cry遺伝子の細胞自律的な転写リズムが失われても、個体や組織の概日時計は堅牢に機能していた。さらに、細胞自律的なレベルではCry遺伝子の転写リズムの停止によってPer遺伝子の転写リズムも停止するにもかかわらず、Per2タンパク質において量的な概日リズムが保たれており、これは同タンパク質の半減期における概日リズムによって生じていることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CryやPer遺伝子の転写リズムは概日リズム発現に必須か、という概日時計分子モデルにおける根本的な問いを解決する研究報告は存在していなかった。したがって、今回の研究成果は哺乳類の概日時計分子メカニズムの理解に大きく貢献するものである。想定通り、この転写リズムの停止によって概日リズムが明確に失われた場合、従来の概日時計分子モデルの信頼性は強く支持される。しかし、今回の結果では、これらの転写リズムの停止によって細胞や個体の概日リズムが失われなかったため、従来の分子モデルは不完全なものであることが強く示唆された。したがって、概日時計分子メカニズム研究において、重要な方向転換をもたらす成果だと言える。
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