研究課題/領域番号 |
19K06772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
松尾 亮太 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40334338)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | eye / extraocular photosensing / optic neuropile / neuropeptide / 光走性 / 非眼性光感知 / 視神経 / 視細胞 / オプシン / ニューロペプチド / 網膜 / 脳内光感知 / 神経伝達物質 / 網膜視細胞 / 神経投射 |
研究開始時の研究の概要 |
ナメクジの球状レンズ眼の網膜には、約300個の視細胞が存在する。ナメクジはこの眼を用いて、視野内における明暗差などを認識できることが知られている。一方、網膜上の位置によって、視細胞から脳に向けた投射に用いられている神経伝達物質が異なることが、これまでの代表者らの実験結果により明らかとなっている。これらの観察結果は、ナメクジでは、視野内における光源の位置情報が、脳へ向けた神経伝達物質の種類、ないしは神経伝達物質の種類に応じた投射様式によりコードされている可能性を示唆している。本研究では、この可能性を検証すべく、組織化学的手法と電気生理学的手法を用いて解析を行う。
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研究成果の概要 |
ナメクジの大触角先端には高感度のレンズ眼が備わっており、その網膜にある視細胞は脳に向けて直接に神経投射を行っている。代表者らは、網膜視細胞がその位置により異なる神経ペプチドを用いて投射を行っていることを明らかにした。さらに、脳内の視神経終末であるoptic neuropileにおいて、眼からの光情報と脳で感知した光情報が統合されていることも明らかにした。本研究の結果は、ナメクジの眼から脳に向けた求心性投射が思いのほか高度に秩序だったものであることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナメクジはレンズの備わった高感度な眼を持つが、その分子レベルでの組織学的特徴や脳に向けた投射様式については研究があまりなされていなかった。今回、眼から脳に向けた求心性投射様式が思いの他秩序だったものであることが明らかになった。また、ナメクジは脳だけで光を感知して暗い場所へと逃げ込める能力を持つことがこれまでの代表者らの研究から明らかになっていたが、本研究で、脳で感知した光情報と眼で感知した光情報が脳内の視神経終末部(optic neuropile)で統合されていることが分かった。この結果は、眼で光を感知しても脳で光を感知しても負の光走性行動に結びつくことに対し、組織学レベルでの裏付けを与えた。
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