研究課題/領域番号 |
19K06773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松尾 朋彦 関西医科大学, 医学部, 研究員 (90641754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 恐怖情動 / 匂い物質 / trpa1 / 体温 / 代謝 / 神経科学 / 嗅覚 / 神経機能 |
研究開始時の研究の概要 |
恐怖情動は様々な生理応答・行動の変化を誘発し、危機的な状況下における生存確率を高める。これまでの研究から、齧歯類の天敵臭の構造類似体、チアゾリン誘導体を利用することで、マウスに先天的な恐怖情動およびそれに伴う様々な生理応答や行動を誘発させることが可能となってきた。本研究では、恐怖情動誘発物質受容体の遺伝子改変マウス、恐怖誘発時の脳活性化地図、神経細胞特異的な操作を行うウイルスベクターを用いることで、恐怖情動に伴う様々な生理応答および行動の変化がどの神経回路によって制御されているのか、受容体発現神経細胞から脳中枢へと至る恐怖情動を制御する神経回路の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
恐怖情動は行動・生理応答を変化させることで危機的状況下における生存確率を高めている。しかし、どのような危機状況でどのような生命保護作用が誘導されるのか、さらにはその誘発機構については未解明であった。 チアゾリン類恐怖臭は齧歯類の天敵臭の構造類似体であり、マウスの先天的恐怖情動を強力に誘発する。今回、このチアゾリン類恐怖臭に暴露されたマウスでは体温や心拍数、代謝の低下といった生理応答変化に加え、低酸素耐性、虚血再灌流障害耐性などの生命保護作用が誘発されることがわかった。また、チアゾリン類恐怖臭の受容体であるTRPA1や中脳腕傍核、脳幹孤束核/三叉神経脊髄路核がこれら応答の多くに関わることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
恐怖情動はすべてのヒトに保存された情動であり、我々の生存に必須の役割を果たしていると考えられる。一方、これまで恐怖情動が持つ生存に有利に働く機能に着目しこれを利用する試みはほとんどなかった。本研究により、先天的な恐怖情動が誘発されたマウスでは低酸素耐性、虚血再灌流障害耐性など危機的状況下における生命保護作用が引き起こされることがわかってきた。このことは、ヒトにおいても恐怖情動誘発に関わる分子や神経回路に働きかけることで、低酸素障害や脳梗塞・心筋梗塞などの虚血再還流障害等の治療にも繋がる可能性が示唆された。
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