研究課題
基盤研究(C)
今、不妊は世界共通の大きな公衆衛生課題となっている.そのうち半数は男性側の障害によるが,原因不明なケースが3割を超える.一方で、データベースには865の遺伝子が男性の不妊候補遺伝子として登録されている.しかし、これらは男性不妊との関連が予想されるということに過ぎず、モデル生物をつかった実験検証が待たれている.実際,候補遺伝子のうちマウス、ショウジョウバエのいずれでもオス不妊遺伝子として同定されていない遺伝子は600を超える.そこで、これらの候補遺伝子が実際にオスの妊性へ関与するのか、ショウジョウバエをモデルに検証する.これによりオス不妊遺伝子リストを充実させ、ヒト男性の不妊の理解を深める.
ショウジョウバエのオス不妊遺伝子の同定とヒトーショウジョウバエ間での精子形成の比較を目的に,生殖への機能が未だ実証されていないヒト男性不妊候補遺伝子のオーソログを含む103のショウジョウバエ遺伝子を調査し、新たに63のオス不妊遺伝子を同定した。妊性が低下した個体の表現型は細胞増殖や減数分裂異常など多岐にわたるが、一見、正常にみえる精子にもかかわらず不妊となるものも多数観察された。精子とメスとのコミュニケーションに障害があるものも含まれると推察される。実際、そのうちの一つNep4遺伝子の機能を破壊すると、精子はメス体内で貯精されず、また受精も完了できない。
今、不妊は世界共通の大きな公衆衛生課題となっている。そのうち半数は男性側の障害によるが、原因不明なケースが3割を超える。一方で、データベースには多数の遺伝子が男性の不妊候補遺伝子として登録されている。しかし、これらはオミクス解析によって関連が示唆された過ぎず、モデル生物での実験検証が待たれている。今回、ショウジョウバエをモデルに検証を進め、オス不妊遺伝子リストを充実させることができ、ヒト男性の不妊の理解を深めることにも繋がった。殊に、一見、正常に見える精子でも貯精、受精障害等の異常をもつことも稀ではないことは今後の研究、診断にも役立つと期待される。
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