研究課題/領域番号 |
19K06783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
久保田 宗一郎 東邦大学, 理学部, 教授 (30277347)
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研究分担者 |
後藤 友二 東邦大学, 理学部, 教授 (70362522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ヌタウナギ / ゲノム再編成 / 染色体放出 / DNA鎖内部欠失 / 染色体末端切除 / 染色体レベルゲノム配列構築 / Hi-C解析 / NGSデータ / リシーケンス / リシークエンス / 内部領域欠失 / 次世代シーケンシング |
研究開始時の研究の概要 |
全ゲノム解析でID(Internal DNA deletion)領域と考えられる幾つかの配列を抽出し、その領域が本当にEゲノムに相当するのかを、SゲノムDNAとGゲノムDNAを鋳型としたPCRで検証、かつその領域の染色体上の位置をFISH解析で特定する。また複数の領域の塩基配列を詳細に解析し、遺伝子等の分布や既知の転位因子との相同性、piRNAとの関係等を解析する。さらに個体によるID領域に差の有無を、必要に応じて、NGSによる再シーケンシングを行い、データの信憑性を検証する。これの結果を基に、ヌタウナギにおける染色体放出時のID様式の解明並びにEゲノムの起源と進化について考察する。
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研究成果の概要 |
無顎類のヌタウナギ目魚類は、染色体放出という特異なゲノム再編成(Programed Genome Rearrangement)を行う。近年、研究代表者はNGS解析により得られたヌタウナギの体細胞と生殖細胞の二つのゲノムの全配列の比較解析により、この種の生殖細胞特異的すなわち放出ゲノムの中に「DNA鎖の内部領域の欠失と再結合」いわゆるInternal DNA deletion(ID)の領域が多数存在する可能性を見いだした。本研究ではHi-C解析により得られた両ゲノムの染色体レベルで再構築された18本のscaffold配列の比較から、染色体末端切除を含むID領域の十数カ所同定、その存在を証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヌタウナギの染色体放出では、これまでは16本のヘテロクロマチンから成る「染色体を丸ごと失う」単純な様式しか想定されていなかったが、今回はじめて想定外の「DNA鎖内部領域の欠失・再結合」(ID)の領域を18本のユークロマチンからなる染色体からの検出に成功した。これはヌタウナギの染色体放出の抜本的な理解の進展に留まらず、すべてのPGRを行う真核生物は皆同様の機構を共有している可能性を強く示唆している。PGRは、一部の生物種にしか観察されないとはいえ、動物界に広く分布しており、また生殖細胞系列と体細胞系列の分化に直結する普遍的な現象であるため、今後この機構のより深い解析が望まれる。
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