研究課題/領域番号 |
19K06784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
齋藤 貴宗 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (60741494)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 減数分裂 / 線虫 / ファンコニ貧血 / 交差型組換え / 減数分裂組換え / 多重ヌクレエース複合体 / エピジェネティクス / ホリデイジャンクションリゾルベース / 不妊症 / DNA修復 / ファンコニアネミア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では申請者らが発見したHIM-18/SLX4 多重ヌクレエース複合体について、体細胞と生殖細胞でのDNA修復機能を解析し、ファンコニ貧血や癌などの染色体異常疾患や不妊症への治療へと役立てる事を目的とする。HIM-18はDNA修復異常を呈するファンコニ貧血の原因遺伝子の一つである。申請者は線虫を用いてhim-18変異のDNA修復異常を抑制するサプレッサー変異体の単離に成功しており、その原因遺伝子の遺伝学的、生化学的な機能解析を行うことでファンコニ貧血の治療薬開発に貢献する。また生殖細胞研究の新展開として、各ヌクレエースの染色体部位特異的な減数分裂組換えの制御機構について開拓する。
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研究成果の概要 |
ファンコニ貧血原因遺伝子SLX4の線虫ホモログであるhim-18のサプレッサー変異の同定を試み、6-7の候補まで絞り込みに成功した。HIM-17はDNA二重鎖切断を染色体腕部に導入し、腕部での交差を促進する機能または染色体中央部での交差形成を抑制する機能があることを明らかにした。また、HIM-17がリン酸化酵素と脱リン酸化酵素の染色体局在を制御する事で第一減数分裂の正確な相同染色体分配に機能する事が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
him-18/SLX4のサプレッサー変異は国内外でも同定されておらず、候補が6-7遺伝子に絞り込まれたことは意義のある成果といえる。今後の展望としては、候補遺伝子を一つに絞り込み、患者の細胞を用いてファンコニ貧血治療への応用を探る事になる。 交差分布の制御機構に関して、制限酵素処理を省く事ができる実験系を確立でき、大幅な手間と時間の短縮に貢献した。him-17変異体では、ヒストンH3K9のジメチル化が減少し、DNA二重鎖切断の染色体腕部への偏りが解除された。結果として交差分布が染色体中央にシフトした事は、染色体のエピジェネティックな変化が交差分布に影響を与えうる事を示したと言える。
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