研究課題/領域番号 |
19K06786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸山 真一朗 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (50712296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞内共生 / 刺胞動物 / 褐虫藻 / サンゴ / 環境応答 / サンゴ共生生態系 / 代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
サンゴ共生藻として知られる褐虫藻は、サンゴやイソギンチャクなどの宿主刺胞動物に細胞内共生し、特に熱帯海域において重要な生態学的ニッチを構築している。この細胞内共生の成立には、褐虫藻と宿主との間で様々な代謝物質がやりとりされることが重要であると考えられているが、どのような物質の輸送がどれくらい起こり、どのように制御されているのかについては、良く分かっていない。本研究では、褐虫藻から宿主刺胞動物へと受け渡される代謝物質に着目し、物質輸送に関わる細胞内の経路と、それを制御するメカニズムについて解析する。
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研究成果の概要 |
褐虫藻(Symbiodiniaceae科に属する単細胞の渦鞭毛藻)はサンゴ共生藻とも呼ばれ、造礁サンゴなどの刺胞動物と細胞内矯正を営み、熱帯から温帯にかけての貧栄養海域における一次生産者として重要な生態学的役割を果たしている。本研究では、この褐虫藻における環境ストレス応答を遺伝子発現レベルで明らかにし、これらの遺伝子群に着目した細胞生理学的解析により、これまで報告されていたものと異なる、糖分泌に関わる新たな経路の存在を示した。また、褐虫藻の生理作用が宿主に与える影響を多面的に解析し、宿主の生活環を通した共生開始から成立と維持に関わる生態学的要因を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
褐虫藻と宿主刺胞動物との間での代謝産物を介した相互作用の重要性は古くから認識されてきたが、分子・細胞レベルでの知見は未だ十分ではない。本研究では、褐虫藻による宿主に対する応答を、広義での環境応答の一つと捉え直すことで、藻類の持っている環境ストレス応答機構が共生という状況でどのように利活用されるのかを分子レベルで説明することを可能にした。これにより、共生に関わる分子機構の進化生態学的な理解が進んだだけでなく、サンゴの白化に見られるような生態系レベルでの環境問題に対しても、藻類による環境応答の頑健性という新たな視点からの対策が可能となった。
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