研究課題/領域番号 |
19K06787
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
尾内 隆行 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20617279)
|
研究分担者 |
菅原 文昭 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00611005)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 脊椎動物 / 中胚葉 / 分節性 / ナメクジウオ / ギボシムシ / ロゼッタ / 体節 / 頭部分節性 / 脊索動物 / 頭部形態進化 / 電子顕微鏡 / 円口類 / 頭部骨格筋 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の進化的起源は過去二百年に渡り研究されているがいまだにわかっていない。本研究では、もっとも古くに分岐した脊椎動物の一種であるヤツメウナギを用い、その形態を観察することで脊椎動物の頭部の進化の歴史を明らかにする。特に電子顕微鏡による細胞型の観察を行うことで微細な構造の差異を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
脊椎動物の頭部がどの様に祖先から進化したかは謎である。これまでナメクジウオ様な動物の体節が脊椎動物の頭部に存在したとした仮説があった。近年の分子発生学研究は、この仮説に疑問を呈する。しかし、円口類ヤツメウナギの発生学的知見が不足しているため、結論が出せずにいた。レーザー顕微鏡と走査型電子顕微鏡連続切片解析(SBF-SEM)により、我々は、ヤツメウナギ頭部中胚葉には、個性的な細胞集団が複数あることを発見した。これらは、体節の様なロゼッタパターンをしておらず、遺伝的にも体節形成に関わるものが発現していなかった。よって脊椎動物の頭部は、初期進化において新しくまた多様化が起きていたことが示唆される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで比較形態学の分野で最大の謎であった、頭部分節性問題の根幹に迫った。円口類ヤツメウナギの頭部の組織学的解析は1902年以降行われていなかった。そこで我々は、最先端の技術を導入し、この研究を進めた。その結果、これまで言われていた様な頭部に体節は存在しないとを証明した。さらにユニークな細胞集団を複数見つけたことで、脊椎動物の初期進化がこれまで以上に多様性に富んでいたことを明らかにした。
|