研究課題
基盤研究(C)
脊椎動物では、これまで少なくとも3種類の主要な性決定遺伝子が同定されている。私たちは、染色体の相互転座によってこれら3つの遺伝子をつなぐ複合型性染色体をカエルに見出した。さらに、同種内で未だ相互転座が生じていない元祖集団も発見した。本研究では、3つの性決定遺伝子で構成される複合型性染色体の性決定様式と元祖型を起点としたその進化機構の解明に臨む。
本研究は、台湾に生息するスインホーハナサキガエルにおいて3本の染色体の転座による複合型性染色体の進化、そして、日本に生息する近縁種のコガタハナサキガエルにおいて性染色体のターンオーバー、XY型からZW型への性決定機構の変換、そして性染色体の異形化が生じたことを明らかにした。脊椎動物ではほとんど前例がないほどの短期間に生じたダイナミックな性染色体進化の全貌が明らかになった。
性、すなわち有性生殖は、生物個体の遺伝的多様性を生み出し、生物の進化に貢献する重要な生殖様式である。また、人類を含む真核生物の起源において誕生した独特な仕組みの一つである。性やジェンダーに関する問題は近年社会問題化しており、現代の人間社会において重要な課題である。本研究は、ヒトや哺乳類の研究では知ることができない性の多様性やその進化機構に関する疑問を解決するためのヒントを与えてくれる。この意味では重要な生物学的基礎研究である。
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