研究課題/領域番号 |
19K06792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
菅 裕 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (30734107)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 多細胞性の進化 / 単細胞ホロゾア / 多細胞性 / 進化 / ゲノム編集 / 危機と進化 / 細胞接着 / 細胞連絡 / 危機 |
研究開始時の研究の概要 |
我々動物は多数の細胞からなる多細胞生物であるが、その多細胞体制はどのように進化してきたのか?その分子レベルのメカニズムを探るため、独自に確立したモデル生物2種(カプサスポラ及びクレオリマックス)を使用し、動物特有とされてきた3つのシステム、受容体チロシンキナーゼ、Notch、細胞外マトリクスが、単細胞の時代にはどのような目的に使われていたのかを調べる。我々の仮説は、「単細胞体制において危機的状況に対応するために進化したメカニズムが、動物の祖先において転用され、多細胞体制の構築に使われた」というものである。この仮説が正しいかどうか、分子生物学的手法を用いて確かめる。
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研究成果の概要 |
生物の進化を引き起こしたのは、一体遺伝子のどのような変化なのか?限定された生物グループ内の「小進化」については近年研究が進んだが、生物がその姿を大きく変えるいわゆる「大進化」についてはまだ未解明である。本研究では、動物の多細胞化がどのような遺伝子レベルの仕組みにより起きたのか、という謎に挑むため、動物で細胞の足場として働く遺伝子や、細胞同士の接触を感知する遺伝子、そして細胞間の連絡を担う遺伝子を単細胞生物から発見し、それらの機能を調べた。その結果、単細胞生物では危機回避などに使われていた遺伝子が、動物で転用されて多細胞体制の構築にかかわったことを示す証拠が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物のゲノムがどんどん解読される時代になったが、その結果よくわかったのは、その中の遺伝子の機能はやはりまだほとんどわからない、という事実である。しかしゲノムは生物の設計図であるから、その情報を利用すれば、生物がどのように遺伝子を変化させて(あるいは変化させずに)進化したか、という生物学最大の謎の一つも解けるはず。本研究は、単細胞ホロゾアという、動物に近縁な単細胞生物の遺伝子情報を利用し、その細胞の中の遺伝子の機能をいじってやることで、「動物がどのようにして多細胞化したか」という大きな問題に挑んだ。これにより、科学者ではない人たちにも生物学の面白さを伝えられればと考えている。
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