研究課題/領域番号 |
19K06794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
菅原 文昭 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00611005)
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研究分担者 |
樋口 真之輔 神戸大学, 附属学校部, 附属中等教育学校教諭 (20847131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 円口類 / 半規管 / ヤツメウナギ / ヌタウナギ / 進化 / 発生 / 内耳 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の内耳は、回転の受容のために3つの半規管をもつが、5億年以上前に分岐した顎のない円口類ヌタウナギ、ヤツメウナギは、半規管をそれぞれ1つ、2つしかもたない。このことから半規管は1→2→3と段階的に獲得されたと考えられてきた。ところが、ヌタウナギの内耳は前後の半規管が二次的に融合してできたと判明し、脊椎動物の共通祖先の段階で既に前後に分かれた二半規管をもっていたことが推定された。 残された問題は、第3の半規管である水平半規管がどのように生じたのかである。本研究は円口類の内耳発生を、顎口類のモデル生物と遺伝子レベルで網羅的に比較し、脊椎動物の水平半規管がどのように獲得されたのか推定する。
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研究成果の概要 |
水平半規管がどのような発生学的メカニズムにより獲得されたのかを解明するため、本研究ではまず、水平半規管をもたないヤツメウナギ胚から内耳を取り出しRNAを抽出することに成功し、これを用いてトランスクリプトーム解析など発現解析を行った。その結果、以前から水平半規管の「マスター遺伝子」と考えられていたOtx1に相当する可能性のある4つのOtx遺伝子は、どれもヤツメウナギの内耳にも発現していることがわかった。また、水平半規管を欠くOtx1ノックアウトマウス胚からも内耳を取り出し、RNAseqにより発現プロファイルを取得した。今後はこのマウスとヤツメウナギの比較によって水平半規管獲得の経緯を探りたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間が自身について知りたいとい欲求は普遍的な知的好奇心のひとつである。われわれヒトはどのような進化の変遷を経て成立したのだろうか?3つの半規管は平衡感覚のうち、特に回転覚を知覚するための重要な器官である。前回の研究課題から引き続いて行ってきた研究から、複雑な形態ををもつ3つの半規管は、脊椎動物の進化の過程でいきなり成立したのではなく、段階的に成立してきたことが明らかになりつつある。
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