研究課題/領域番号 |
19K06796
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
|
研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
早川 英介 沖縄科学技術大学院大学, 進化神経生物学ユニット, グループリーダー (20739809)
|
研究分担者 |
渡邉 寛 沖縄科学技術大学院大学, 進化神経生物学ユニット, 准教授 (80356261)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 生化学 / 進化生物学 / 質量分析 / 神経 / タンパク質 / 進化 / 神経伝達物質 / タンパク / タンパク複合体 / プロテオミクス / 生物進化 / シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
シナプスでは多彩なタンパクが複合体を形成することで高度な神経伝達制御が成り立っているが、多細胞動物の進化の過程でどのように発達したのか今だ未知のままである。 本研究では網羅的・高感度なタンパク複合体同定のために、質量分析をベースとしたPCP分析とクロスリンクプロテオミクスによる分析系を構築する。その分析系を原始的な多細胞動物群に適用することでシナプスタンパク複合体の構成を一挙に同定する。本研究により、多細胞動物進化の最初期におけるシナプスタンパク複合体の成り立ちを横断的に明らかにすることでタンパク複合体の観点からシナプスの進化を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
神経系は多細胞動物の進化の過程で獲得された重要で組織であり、多彩なタンパク質の複合体によりシグナル伝達系を制御している。神経機能に関するタンパク質複合体は動物の神経系獲得前後に急速に進化したと考えられているが、その過程はまだ明らかではない。本研究ではシナプス機能に関与するタンパク質の機能的な複合体の進化を組織的に明らかにすることを目指し、質量分析およびシングルセルトランスクリプトームを用いた網羅的な解析を行った。その結果、有節動物のような原始的な生物においてもシナプスの機能に関与するタンパク質群が神経細胞クラスターに共発現し高等動物と同様の分子マシーナリーを持つことを示唆する結果が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の組織には数万ものタンパク質が存在しているがほとんどの場合機能的な複合体を形成しそれにより高度な機能が実現している。生命現象を理解するためにはタンパク単体ではなく、タンパク複合体を機能的マシーナリーとして明らかにすることが必要不可欠である。 本研究では最も原始的な神経系を持つと考えられている有節動物において高等動物のシナプスと同様の分子マシーナリーがセットで働いていることを示す結果が得られた。本研究成果は原始的な動物で神経系がどのように獲得され進化してきたかを論ずる上で重要な知見であり、今後の進化生物学における神経系の議論に貢献すると考えれる。
|