研究課題/領域番号 |
19K06809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
篠原 渉 香川大学, 教育学部, 准教授 (30467443)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高山性ミニチュア植物 / 帰化植物 / ニュージーランド / 適応進化 / 収斂 / ブタナ / ヒメスイバ / ミニチュア植物 / 高山 / 標本調査 / スイバ / 小型化 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上には至るところに高山があり、高山における植物の小型化は世界各地で起こっている。しかしこれら高山性ミニチュア植物は、その小型化になんらかの適応的意義があるのか、またどのようなプロセスを経て進化したのかはわかっていない。その要因として、高山性ミニチュア植物の多くは進化してから長い時間を経ているため、どこでどのように進化したのかがわかっている研究系が極端に少ないことが挙げられる。そこで本研究ではわずか100年程度の間にニュージーランドの高地で小型化した帰化植物のブタナとヒメスイバを用いて、その形態学的及び遺伝学的解析から、高山性ミニチュア植物が形成される初期段階で現在進行形の進化を探知する。
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研究実績の概要 |
ブタナ(Hypochoeris radicata)とヒメスイバ(Rumex acetosella)はヨーロッパ原産の多年生草本であり、1800年代中頃にニュージーランドに帰化したことが標本から確認されている(ブタナは1867年、ヒメスイバは1850年)。さらに約100年後の1980年代には両種ともに南島の低地から高地にかけて広く分布しており、高地に進出したブタナとヒメスイバはその葉面積が低地の半分以下になっていることが報告されている。本研究ではニュージーランドの帰化植物であるブタナとヒメスイバの高山の小型化形質がどのような特徴を持つのかを明らかにすることを目的とした。 ニュージーランドのオークランド博物館、ニュージーランド博物館、National Forestry標本庫に収蔵されていたスイバ66点とブタナ122点の標本から、葉・茎・花の各器官のサイズと形を測定した。葉は個体の最大葉の葉面積、葉の形の指標となる葉型指数を計測した。また茎及び花茎は個体の最大長を測定した。花については花の直径及び花弁の面積を測定した。次にこれらの形質について原産地の個体と比較するために、ヨーロッパ各地の標本庫から標本画像を取得し、それぞれの形態形質の測定を行った。その結果、ニュージーランドの形態変異はヨーロッパにある形態変異の中に完全に埋没した。つまりニュージーランドで見られた形態変異はすでにヨーロッパに存在しており、ヨーロッパからニュージーランドへの複数回の移入により、大きな形態変異を示すようになったと考えられる。
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