研究課題/領域番号 |
19K06811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
田中 龍聖 宮崎大学, 医学部, 助教 (70723550)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 宿主探索 / 線虫 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで解析が困難であった「線虫の宿主探索機構とその進化への影響」を明らかにしようとするものである。具体的には、宿主が発生させる振動情報と化学物質を線虫がどのように認識し、それが進化にどう影響するか明らかにする。 線虫の振動情報の利用機構の解明には、振動発生装置を用い、どのような振動対し線虫が宿主探索行動を示すか調べる。線虫の宿主の化学物質受容機構の解明には、線虫のゲノム情報から化学物質を受容するレセプターを得て、ノックダウンし機能解析する。さらに振動受容や化学物質受容に欠陥がある変異体を用いて、これらの機構が子孫を残すためにどの程度寄与するか明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、単純な体構造を持ち扱いやすい線虫を用い、その宿主探索「宿主の匂いと振動の受容」の詳細を明らかにすることを目的とした。本研究の結果、宿主の匂いを受容する受容体の候補が絞られ、野外の同所的に生息する複数の線虫種において、宿主の匂いを受容する線虫種の方が、受容しない線虫種より効率よく宿主に運搬されることが明らかとなった。さらに、振動は線虫の全身の体表に存在する受容体により受容され、特に宿主となる節足動物が発する振動域付近の振動に線虫が敏感に反応することが明らかとなった。また、振動受容は宿主探索だけでなく、大型動物の踏み付けからの回避にも役立っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、線虫において、宿主の匂いを受容する受容体の候補群が得られた。これを基に、最終的な匂い受容体の同定につながる。また、宿主の匂いを受容する線虫種の方が、その他の線虫種より効率よく餌から餌へ運ばれており、この現象が進化の原動力の一つになっている可能性が示唆された。この情報と比較ゲノム等により、進化学の新たな知見が得られると考えている。また、本研究で明らかとなった線虫の振動受容の知見を発展されることにより、寄生性の線虫の防除などへの応用が期待される。
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