研究課題/領域番号 |
19K06819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀江 佐知子 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (30838024)
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研究分担者 |
藤井 伸二 人間環境大学, 人間環境学部, 准教授 (40228945)
牧 雅之 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (60263985)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 種分化 |
研究開始時の研究の概要 |
伊豆諸島は本州と陸続きになったことがない海洋島で,いくつかの固有種が知られている.それらは本州に分布する祖先種が伊豆諸島に移入した後,島嶼域での隔離によって生じたものと考えられる.しかし,本州と伊豆諸島の距離を考えると島で分化した固有種が再び本州に逆移入して定着する可能性があり得るが実証的な研究例はない.本研究では,イズノシマダイモンジソウが伊豆諸島で分化した後に本州に逆移入・定着したことを検証し,それがどれくらいのタイムスケールで起きたのかを明らかにすることを目指す.
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研究実績の概要 |
伊豆諸島は本州と陸続きになったことがない海洋島で,いくつかの固有植物種が知られている.それらは本州に分布する祖先種が伊豆諸島に移入した後,島嶼域での隔離によって生じたものと考えられる.しかし,本州と伊豆諸島の距離を考えると伊豆諸島で分化した固有種が再び本州に逆移入して定着する可能性があり得るが,実証的な研究例はない.本研究で研究対象とするユキノシタ科の多年生草本であるイズノシマダイモンジソウは,伊豆諸島全島と房総半島のみに分布する植物である.この分布パターンは,この種が祖先種であるダイモンジソウ(国内に広く分布)から伊豆諸島で分化した後,本州(房総半島)へ逆移入・定着してきたことを想起させる.本研究では,(1)イズノシマダイモンジソウでは伊豆諸島から本州への逆移入が起きたのか,(2)房総半島ではなぜダイモンジソウは分布せず,イズノシマダイモンジソウだけが分布するのか,(3)イズノシマダイモンジソウが祖先種のダイモンジソウから分化してからどれくらいの時間が経過しているのかを,分子データと人工交配実験を用いて明らかにすることを目指している.昨年度までの遺伝学的解析により,イズノシマダイモンジソウとその母種であるダイモンジソウは,遺伝的に明確に区別することができ,狭義ダイモンジソウ集団のうち伊豆半島の集団は,伊豆諸島に近いにもかかわらずイズノシマダイモンジソウ集団との分化が大きく,伊豆半島と伊豆諸島の集団間では遺伝的交流は限定的であると推測された.今年度,より詳細なデータ解析を進めるとともに,採取した植物の人工交配実験を進めた.今後,これまで得られたデータをもとに,さらに詳細な遺伝学的解析および人工交配実験を行うことでイズノシマダイモンジソウが伊豆諸島で分化した後に本州に逆移入・定着したことを検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度採集した個体を用いて人工交配実験を行うことができた.また,遺伝的解析についても新たな解析を進めることができ,現在までの進捗状況としてはおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は昨年度に引き続き遺伝学的解析を進めるとともに,収集した試料による生態学的解析を行う予定である.
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