研究課題/領域番号 |
19K06822
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
朝川 毅守 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (50213682)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | Limnoria / Limnoriidae / Isopoda / 食性転換 / 種分化 / 消化酵素 / ワラジムシ目 / ホスト転換 / 種多様性 / 糖質活性酵素 / 生態的種分化 / 適応 / 等脚類 / 系統地理 / 生物多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本近海の海藻や海草に生育するキクイムシ属(等脚目キクイムシ科)について、食料としている海藻や海草の多様性を明らかにすること、キクイムシが食性の転換により、消化酵素系の変化が起きているかどうかを明らかにすること、キクイムシが食性の転換による生態的種分化を起こしている可能性を検証すること、新種を記載発表することにより、これまであまり注目されなかった分類群の多様性を 示し、生物多様性の啓蒙に貢献することを目的とする。海草や、海藻類を食料としているキクイムシの多様性を明らかにすることで、幅広い植物性バイオマスを原料としたバイオ燃料 の開発につなげることが期待できる。
|
研究成果の概要 |
褐藻類から採集されたキクイムシの系統解析とSDAを行い,食性に対応した3つの系統に分かれ,各系統内で複数の系統に細分され,8MOTUに分化していることが判明した. 祖先分岐点のホストと分布海域の推定を行い,太平洋にいたジェネラリストの祖先から,特定の科に特化した系統が分かれ,各系統の中で太平洋の東西や日本海で分化がおきていることが推定された. 消化酵素の解析の結果,ヘモシアニンが非常に高く発現し,糖質販連酵素ではGH7とGH16が多く発現していることが明らかになった. GH16には褐藻の同化産物であるラミナランを分解する酵素が含まれ,ラミナランの分解に適応して発現量が増大したと考えられる.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
褐藻食キクイムシはこれまで1種しか知られていなかったが,本研究により新たに2種類が記載され,さらに6種が未記載である可能性が示された.これは海生等脚類の多様性の認識に大きく貢献できる. また,特定の海藻への特化と,地理的隔離による褐藻食キクイムシの多様化の仕組みを明らかにしたことにより,海洋生物の進化要因の解明に大きく貢献した. 褐藻食キクイムシの消化酵素の解析は,食性転換の仕組みの解明に貢献し,バイオ燃料開発などの応用研究の基礎となることが期待される
|