研究課題/領域番号 |
19K06824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三田 敏治 九州大学, 農学研究院, 助教 (90581851)
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研究分担者 |
細石 真吾 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教 (80571273)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ハチ目 / 種多様性 / 東洋区 / ベトナム |
研究開始時の研究の概要 |
ナナフシの卵を利用する昆虫について分かっていることはわずかだが,数の多い熱帯林では魅力的な資源になっていると考えられる.本研究では,ナナフシ卵の専門寄生者,ナナフシヤドリバチ類,カブトバチ類に着目する.彼らは,東南アジアで最も多様化が進んでいるにも拘わらずその全容がよく分かっていない.一方で,ナナフシ卵を運ぶ,あるいはアリに運ばれた卵から羽化することが知られている.なぜ,寄主卵の移動が必要なのだろうか.鍵となるのは,同じく卵を運ぶアリの存在である.本研究では,寄生蜂の分類・系統関係からナナフシ卵寄生性の起源と多様化の背景を明らかにし,ナナフシ卵を運ぶ「アリ」と「寄生蜂」の関係に迫る.
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研究成果の概要 |
本研究課題では、ナナフシの卵を利用するセイボウ科の寄生蜂の種多様性、アジアを中心とした分類群の系統関係および生活史の解明を試みた。東アジアのナナフシヤドリバチ亜科、カブトバチ亜科のいくつかの属の分類学的検討を行った。ナナフシヤドリバチ亜科,カブトバチ亜科の系統解析を試みた。野外観察からはナナフシ卵の天敵としてアリやコオロギ類が大きな割合を占めることが明らかになった。寄主卵の運搬様式を分類群ごとに比較し、カブトバチ亜科では狩りバチの採餌様式に近い、高度な産卵行動の修飾が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ベトナムでカブトバチ類が16新種も見出されるなど、ナナフシ卵寄生蜂の潜在的な種数の豊富さが示された。彼らは稀な寄生バチとみなされていたが、実際は現在の理解よりはるかに個体数が多く、種多様性も高い寄生バチであると考えられる。また、明らかになった産卵行動のいくつかは、寄生バチというより、狩りバチでみられる巣作りの習性に近いと考えられる。ナナフシ卵寄生蜂の進化と生活史の研究を進めることは、ハチの仲間の産卵行動の進化や、特異的なな形態の謎を解き明かすための重要なパーツとなると期待される。
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