研究課題/領域番号 |
19K06826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
廣瀬 大 日本大学, 薬学部, 教授 (20513922)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アスペルギルス症 / 薬剤耐性 / 抗真菌薬 / 多様性 / 集団遺伝 / 分類 / 島嶼 / 医真菌 / 生物多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、世界の臨床現場においてアゾール系抗真菌薬に対する耐性株の出現が問題となっている。中でも、高い致死率を示すアスペルギルス症を引き起こすAspergillus属は最重要分類群である。本研究では、伊豆・小笠原諸島をモデルフィールドとして、アゾール系抗真菌薬に対して耐性のあるAspergillus fumigatus 関連種の分類学的記載を行うと共に生態学的及び集団遺伝学的解析を行う。具体的には、(1) 各種の分布の実態調査と詳細分布図の作成、(2) その分布と環境要因との相関関係の解明、(3) 島間での胞子分散の程度の評価、(4) これらの結果に基づく分布の将来予測を行う。
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研究成果の概要 |
伊豆・小笠原諸島においてAspegillus fumigatus関連種の多様性調査を行った。調査の結果、6種の分布が確認された。大島と式根島では A. felis, 神津島から八丈島間では A. pseudoviridinutans, 小笠原諸島では A. udagawae の出現頻度が高かった。島によらず森林よりも裸地や草地で関連種の出現頻度が高いことが明らかになった。高頻度種に対しゲノムワイドな遺伝子型決定を試み集団遺伝学的解析を行った結果、島間で明確な遺伝的分化はみられなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真菌症起因菌の野外環境における生態学的特性に関する情報は世界的にみても殆どない。そのため、本研究で得られた知見は真菌の多様性科学のみならず疫学や環境医学においても重要なものであると考えられる。超高齢化社会を迎えると共に抗癌剤治療やHIV感染などにより免疫力の低下した患者が増加傾向にあることを考えると、真菌症の罹患者数は今後急激に増大すると予想される。本研究の成果はこの様な状況に備えるための生物学的な基礎情報を提供することから社会的意義は大きいと思われる。
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