研究課題/領域番号 |
19K06830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
北山 太樹 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (20270407)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 小笠原 / 海藻相 / 植物地理学 / 藻類 / 深所性海藻 / 房総半島 / 小笠原諸島 |
研究開始時の研究の概要 |
自然な海岸が残され世界自然遺産にも登録された小笠原諸島において深所性海藻相を解明する。これまで小笠原諸島の海藻相は南西諸島と同じ亜熱帯性海藻相(第Ⅲ区)に属すると考えられてきたが、親潮寒流や黒潮暖流などの影響を受けていないため、日本列島側とは異なる海藻相が成立していることが予想される。とくに40m以深の深所において、浅所とは異なる原理で海藻相が形成されている可能性がある。そこで、6番目の新海藻相区を検討するための調査を現地と標本室の両面から行うとともに、日本列島側のモデルとして黒潮の影響を受けている房総半島において同様の採集調査を実施し、両海域の深所性海藻相を比較研究する。
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研究成果の概要 |
小笠原諸島の海藻相の特殊性を解明するため、父島周辺と房総半島大原の両方で深所性海藻の採集と標本調査を実施し比較した。それぞれ約20種が得られ、大原沖からアオサ藻フジノハヅタ、褐藻オオノアナメ、紅藻カクレスジなど日本の海藻相区分における第III区を特徴付ける種が得られたのに対し、父島沖にはアオサ藻オトヒメミル(新称)、褐藻タマクシゲ、紅藻スジアリグサなど日本列島側と共通しない種が多数生育することが明らかになった。潮間帯からは褐藻オウギジガミグサ(新称)も日本新産として発見された。従来南西諸島とともに第IV区に置かれてきた小笠原諸島のために、第VI区の新設が必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小笠原諸島の海藻相を浅所のみならず深所で調査し、日本列島側と比較することにより海藻の植物地理学的な進展に貢献した。従来海流と関連付けて議論されてきた日本海藻相区分において南西諸島とともに第III区に分類されていた小笠原の海藻相が日本列島の5つの区のいずれにも収まらず、第VI区の新設が必要であるほど異なることが解明された。世界自然遺産にも登録されている小笠原諸島のさらなる保全にも新たな意義をもたらすものと思われる。
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