研究課題/領域番号 |
19K06853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
瀬戸 繭美 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (10512717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 微生物生態 / 非平衡熱力学 / 数理モデリング / 生物エネルギー論 / 酸化還元反応 / 化学合成微生物 / 個体群動態 / ギブスエネルギー / 化学合成細菌 / 群集生態学 / 地球微生物学 / 個体群動態モデル / 生体エネルギー論 / 化学合成無機独立栄養 / 数理モデル / 微生物生態学 / 熱力学 / 種間相互作用 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上の生物は光か化学反応のいずれかをエネルギー源として用いる。細菌や古細菌には鉄や水素や硫黄を利用した反応からエネルギーを得るものが存在し、彼らの存在は炭素や窒素の挙動に影響するだけで無く重金属の動態や毒性にも影響をもたらす。彼らの特徴は有機物を酸素で酸化する化学反応(好気呼吸)からエネルギーを得る動物と異なり、反応から獲得することができるエネルギー量が非常に低い点である。本研究では低エネルギー反応を利用する微生物の増殖動態をモデル化し、それらの微生物の増殖過程を理解し、個体群の相互作用と進化動態について理論的な理解を試みる。
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研究成果の概要 |
生態学の基盤理論は地球表層の生態系(陸上や沿岸環境)の観測結果に基づき構築されてきた。一方で深海にも莫大な生物量が存在し、細菌と古細菌が生物生産を支える。深海で利用可能なエネルギー量は、表層生態系で利用可能なエネルギー量と比較し少ない。本研究では光をエネルギー源としない微生物群集と生態系の理解するために、個体群動態モデルを用いた理論研究を実施した。その結果、微生物は代謝産物を受け渡すことで反応速度だけでなくエネルギー転換効率を上昇していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地下生態系に存在する細菌や古細菌の多くは電子移動を伴う化学反応を利用して自らのエネルギーに転換し、生物生産を支える。こうしたエネルギー利用形態の生物は地球の最古の生命に近い形態であることが示唆されている。よって、光に依存しない微生物生態系を理解することは、初期生命が生態系を築くに至るプロセスを知るために役に立つ。また、生態学のこれまでの基盤理論に地下生態系の理論を追加し、比較することで、より普遍的な生態系理論の確立を目指すことができる。
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