研究課題/領域番号 |
19K06855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮崎 祐子 岡山大学, 学術研究院環境生命科学学域, 准教授 (20443583)
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研究分担者 |
丑丸 敦史 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70399327)
井上 智美 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (80435578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 環境依存的性決定 / 花の性 / ツユクサ / 日長 / 花成 / 資源量 |
研究開始時の研究の概要 |
全種子植物のうち90%以上は性染色体を持たず、両性花・雌花・雄花の組み合わせの花を一個体内に咲かせるが、個々の花の性決定メカニズムについては不明な点が多く、どのようにして環境要因(日長、温度、栄養状態等)が性決定に作用するのか明らかになっていない。本研究では、植物が両全性から雌雄性を獲得する進化の途中段階にあると考えられている表現型である雄性両全性同株(両性花と雄花をもつ)のケツユクサを用いて、環境要因、特に短日条件と栄養状態が両性花を誘導するメカニズムを花成との関連性において明らかにする。さらにそれらの環境条件が花の性決定のシグナルとなった適応的意義について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、雄性両全性同株のケツユクサを用いて、個々の花の性を決定する環境シグナルと、野外生育環境においてその環境シグナルを利用することの適応的意義について明らかにした。環境シグナルは特に、日長条件と花序内の栄養状態が雄花を誘導するメカニズムに着目した。花序内で最初に咲く(B1)両性花が結実に成功すると、次に咲く(B2)花は雄花になるが、短日条件によってB2花は両性花になること、さらに、日長条件への応答性に栄養状態が関与することが示唆された。一年草であるケツユクサは生育の終盤である秋には短日条件に応答して種子生産可能な両性花を生産することが適応的である可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境依存的な生物の性決定については動物や収量に直結する作物においてその仕組みの解明が進んでいるが、野生植物における環境依存的な個々の花の性表現の決定機構についてはほとんど明らかになっていなかった。本研究で新たに得られた知見は、進行する気候変動に対して自然生態系の一部である植物個体群が種子生産を介してどのように応答するかを検討する材料になり得る。
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