研究課題/領域番号 |
19K06863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
柏木 健司 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (90422625)
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研究分担者 |
辻 大和 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (70533595)
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (90252535)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ニホンザル / 洞窟 / ロックシェルター / 糞 / トンネル / 冬季 / 防寒 / サル団子 / 岩棚 / 豪雪 / 黒部峡谷 / 自動撮影カメラ / 自動温度ロガー |
研究開始時の研究の概要 |
ニホンザルは、厳冬期の豪雪地域を生き抜くために、洞窟を防寒目的で利用します(洞窟利用)。この研究では、ニホンザルが洞窟をどのように利用しているのか、またどういった環境条件(気温や積雪量など)で利用するのかについて明らかにすることを目的としています。また、ニホンザルは暖冬の場合、洞窟を利用しません。利用するのは、生命が危険にさらされるくらい、雪が降ったり気温が低下した冬季に限られます。ニホンザルは、人間を除く霊長類において、最も北限に生息域を広げています。言い換えると、洞窟利用の詳しい戦略と環境条件を明らかにすることで、霊長類の生息域の北方への拡大過程についても理解を深めることができます。
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研究実績の概要 |
黒部峡谷に位置する対象洞窟での,自動撮影カメラおよび自動温度ロガーによる観測を,継続して進めた.ニホンザルの洞窟利用について,現在,データを取りまとめ中である.また,対象洞窟周辺の斜面において,洞窟の探索を追加で実施した.黒部峡谷は入山時期が限られ(5-11月),急峻な地形で移動範囲も限定されるため,峡谷内での新規調査サイトは見いだせなかった. ニホンザルの糞を起点とする洞内生態系の研究を進めるため,他地域での洞窟調査を並行して進めている.群馬県で進めている洞窟調査では,ほとんどの洞窟でハクビシンの糞が観察され,一方でその他の中型哺乳類の糞は確認できなかった.洞床堆積物の洗い出しで,小型哺乳類遺骸・化石と陸産貝類遺骸が多量に産した.この成果は,黒部峡谷における洞窟利用研究に適用できる手法を含む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
十分な研究時間の確保ができなかったため,蓄積された画像および動画データの解析,およびデータの取りまとめが不十分である.
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今後の研究の推進方策 |
画像および動画データの解析を進める.解析においては,冬季データを優先し,ニホンザルの洞窟利用と気象データの相関を検討する.これに関連して,他の中型哺乳類の洞窟利用についても,種間関係を念頭に入れて解析する.次に,晩秋と早春のデータの解析を追加で進める.以上のデータを基に,論文作成を共同研究者と相互かつ密に連絡を取りつつ進める.春から秋の非積雪期のデータ解析は,以上の作業に引き続いて行っていく.
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