研究課題/領域番号 |
19K06864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 公紀 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (80567743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | iPS細胞 / 神経発生 / ヒト進化 / チンパンジー / ニホンザル / ヒト化 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、チンパンジー/ヒトiPS細胞を用いた種間比較解析を行うことで、初期神経発生のヒト特異的な発生動態・分子基盤の解明と実証的進化研究に取り組む。土台となるバイオモデリングシステムの整備として ①霊長類iPS細胞の樹立、②iPS細胞から初期神経発生のシステマティックな分化誘導に適宜取り組みつつ、本題である実証的ヒト進化研究に向けて、③iPS細胞の分化誘導による初期神経発生動態のモニタリングと、遺伝子発現プロファイリングによるヒト特異的な遺伝子の特定、④特定した遺伝子の遺伝子改変iPS細胞の作製による機能/表現型解析を行う。本研究を通じて、新たに「幹細胞ヒト進化学」の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では神経発生のヒト化の特性と分子基盤を解明するために、ヒト/チンパンジー/ニホンザルのiPS細胞を用いた初期神経発生の分化誘導と種間比較解析を行った。具体的には、3種の分化誘導培養における遺伝子発現の変遷やニューロン分化のタイミングについて解析したところ、神経発生に重要な遺伝子の発現はいずれの種においても類似したパターンで観察されるものの、その進行がヒトではチンパンジー/ニホンザルよりも遅いこと、またニューロン分化はチンパンジーよりもニホンザルで先行するなどの異時性を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト脳進化の特異性を解明するためには、ヒトと非ヒト霊長類の脳神経発生を比較解析することが不可欠である。しかし、ヒトやチンパンジーの胚や胎児を対象に研究を実施することは現実的ではない。本研究では、チンパンジーとニホンザルのiPS細胞を作製し、ヒトを加えた霊長類3種のiPS細胞を使用することで、同一の方法による神経発生の分化誘導と培養下での比較解析を実現した。また、これまでの解析結果から、僅か1週間という短期間の分化誘導培養であっても、神経発生のタイミングに種間差が認められることが判明した。神経発生のヒト特異性を解明することで、ヒトの本質とその破綻がもたらす疾患の理解につながると考えられる。
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