研究課題/領域番号 |
19K06865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40172978)
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研究分担者 |
伊藤 毅 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (20711485)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アカゲザル種群 / 系統地理学 / RAD-Seq / 集団遺伝学的解析 / 更新世気候変動 / Macaca mulatta / 種群 / 進化 / ゲノム解析 / 生態学的ニッチモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
アカゲザル種群はアカゲザル(Macaca mulatta)とその地域集団として分岐したニホンザル(M. fuscata)とタイワンザル(M. cyclopis)からなる。本種群はカニクイザル(M. fascicularis)と約194万年前に分岐後、更新世の後半において人類と共存してアジアの中緯度域で進化したと考えられる。その地理的分布は、東・東南・南アジアの北緯14度から41度にまでわたり、ヒト(現代人)についで広い。過去の気候変動および人類による改変された環境へ適応したと推測される。その進化過程を生息環境・形態・ゲノムの面から明らかにする。
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研究実績の概要 |
アカゲザル種群の進化に関して、次のようなことが明らかにされた。アカゲザル種群は、アカゲザル(M. mulatta)、タイワンザル(M. cyclopis)およびニホンザル(M. fuscata)で構成され、アカゲザルには10ほどの亜種がある。カニクイザル種群が姉妹種群である。南アジアから東アジアに広く分布し、アカゲザル種群の進化において交雑、特にオスに偏った移住が強く影響していることが解明された。更新世の気候変動に伴う、地理的隔離と独自化、および分散・遺伝子流動によるAdmixtureのフェーズがあり、それぞれの種の特徴は両方の要素が混在して形成されている。 アカゲザル種群内では、proto-mulatta(進化過程にある中間祖先集団)がfascicularis種群から分岐し、大陸で中緯度域に広く分散した。そこからproto-fuscataとproto-cyclopisが分岐し、さらに大陸集団は大きく東西二つに、さらに地域別に亜種に分岐した。その後、proto-東mulattaからproto-cyclopisとproto-fuscataへ、別の機会および別の地域集団が遺伝子移入し、M. cyclopisとM. fuscataが起源した。大陸集団では、インドシナ半島の地域集団は、東西からの遺伝子流動があるとともに、カニクイザル基亜種 (M. fascicularis fascicularis)から遺伝子流動があり、独特の亜種を構成する。 アカゲザザル種群の進化において、カニクイザル種群以外の、他種群からの交雑化・遺伝子移入の影響は、ほとんど無い。これは生息地条件(気候帯、植生や地理的条件);地上性か樹上性か;身体的形態(例、生殖器形態や性皮);および社会の型によって生殖的に隔離されているためであろう。
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