研究課題/領域番号 |
19K06875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
跡見 友章 杏林大学, 保健学部, 教授 (80611285)
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研究分担者 |
菊池 吉晃 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 客員教授 (50134739)
久原 重英 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (60781234)
小林 邦典 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (90723867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | fMRI / 身体バランス / 運動イメージ / 動作観察 / 自己認知 / 転倒恐怖感 |
研究開始時の研究の概要 |
二足によるヒトの特異的な身体バランスの制御は多感覚の統合により動的に遂行される。またその神経機構は、転倒回避など、ヒトの環境適応や生存戦略においても重要である。さらに、近年社会的問題となっている高齢者の転倒恐怖感などは、身体バランス制御の破綻がヒトの高次な認知機能や行動にも影響を与えることを示している。本研究では、健常成人男性における身体バランスの危機的状況の認知に応答する神経機構を超高磁場磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いて同定し、実際のバランス能力との関係について検討する。
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研究実績の概要 |
二足による身体バランス制御の神経機構は、転倒回避など、ヒトの環境適応や生存戦略においても重要である。また転倒に対する恐怖感など、身体バランス制御の破綻がヒトの高次な認知機能や行動にも影響を与えると考えられる。従って、身体バランス制御と高次脳機能との関係性の解明は、応用人類学における重要課題である。しかしながら方法論的制限により、身体バランスが不安定な状態の脳活動に関する研究は少ない。本研究は、動作観察と運動イメージを併用した手法を用いたfMRIによる脳活動の計測と、被験者自身の身体バランス能力の関係性から、身体バランスの不安定性に関する自己認知と身体バランス能力に関連する神経機構を検討することを目的としている。 本研究の特徴は以下の3点である。 ① 身体バランスの自己認知に関連する脳活動を抽出するためには、1)感覚-運動の内部モデルを用いる刺激動画、2)動画観察と運動イメージの併用、3)自他比較の実験デザイン、の3点を含むことが有効であることを示す。 ② バランス課題を実施したことがない被験者に対しても、動画刺激に対して自分自身を投影する条件では、実際にバランス課題を実施した場合に近似する神経機構を活性化させることを明らかにする。 ③ 実際の身体バランス制御能力と、身体バランスの不安定性に関する自己認知の関係を、高い空間分解能を有するfMRIを用いて検討する。 以上により、実際にバランス能力の低い対象者に対する研究結果の臨床応用を含めた検討が可能になる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
バランス課題計測については、健常な右利き足男性被験者16名に対して実施した。実験課題および条件は、利き足での片脚立位について開眼及び閉眼の2条件とした。計測は頭部・胸郭部・骨盤部・両上肢・両下肢に貼付した加速度センサと重心動揺計を用いて、各課題遂行時の3軸方向の合成加速度および総軌跡長、外周面積を計測した。各身体部位間における合成加速度の位相同期値を解析した結果、開眼・閉眼に関わらず頭部-骨盤、胸郭部-支持側下腿の同期が高まる傾向が確認された。また、閉眼時では、姿勢を安定的させるために、末梢の四肢を動かしながら、中枢部位の胸郭部および骨盤部に加速度を生じさせないように制御していることが示唆された。 fMRIについては、健常な右利き男性被験者26名に対して実施した。実験課題は、2条件のバランス課題(安定、不安定)の刺激動画に対して、動作観察条件(Action Observation:以下AO)および動作観察+運動イメージ条件(Action Observation and Motor Image:以下AO&MI)の2条件を設定し、刺激提示時の脳活動をfMRIにより計測した。またfMRI計測後に、刺激動画に対する11項目の主観評価を実施した。脳活動は、バランス課題に対するAO条件とAO&MI条件の相違について、集団解析によって検討した。主fMRI解析の結果から、不安定課題におけるAO+MI vs. AO条件のコントラストにおいて、左頭頂連合野、左右補足運動野および背側運動前野、右EBA (Extrastriate Body Area)を中心に活動を認めた。また、主観評価と脳活動における重回帰分析の結果から,不安定条件では,MIの併用によって左下頭頂小様の活動が「困難さ」と正の相関,バランス難易度の低い安定条件では,右下頭頂小様の活動が「恐怖」と負の相関を示した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度では、2022年度までに実施した本実験結果を踏まえ、26名のfMRI計測者に対して課題間における脳活動の差を集団解析によって検討した。また、重心動揺計検査を実施した15名においては、今後の解析で身体バランス能力と脳活動の関係について解析を実施し、研究成果を公表する。
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