研究課題/領域番号 |
19K06877
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
益岡 弘 関西医科大学, 医学部, 講師 (00600496)
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研究分担者 |
福井 充香 関西医科大学, 医学部, 任期付助教(専修医) (10809974)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 口輪筋 / 口唇裂 / 鼻中隔下制筋 / 顔面表情筋 / 超音波診断 / 顔面神経麻痺 |
研究開始時の研究の概要 |
顔面の表情の仕組みについて、機能的側面から筋の動きを描出して顔面表情筋の機能構造を解明する。 顔面表情筋は通常の骨格筋とは異なりその走行は不明瞭で機能的意義もあいまいなものが多い。特に口輪筋は口の周りを取り囲むようなリング状形態として解剖書に記されているが、正中部で交叉構造があることもわかっている。しかし、その付着部位や機能は未だ明らかにされていない。これらの筋肉の個別の機能を同定するために、各種表情に応じた超音波動画による解析を行い、真の組織構造と機能的役割を解明する。 解析結果から口唇裂や顔面神経麻痺などの顔面疾患を持つ患者が「表情豊かな生活」を得るための治療法開発につながることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、超音波診断装置を活用し、口唇周囲の筋肉の動きや相互作用を捉えることにより真の解剖構造を解明することを試みた。口唇の突出に伴う筋肉の働きについて解析を行った。また、口唇裂患者において、生来あるいは手術により影響を受けている筋肉の走行とその作用について調べた。COVID-19の蔓延の影響を受け統計的データを得る症例数まで検証するには至らなかったが、口唇裂患児の外観の表情表出による左右差について理論に合致した結果が得られた。口唇裂患児においては口唇突出を制御している鼻中隔下制筋の作用不足により口や鼻に歪みを生じると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、口唇の動きを中心とした表情表出が、どのような口唇周囲筋の作用により得られているか、表情筋の個々の作用とその位置関係について研究を行った。口輪筋の機能的構造と鼻中隔下制筋の作用部位の同定により口唇突出の作用機序についての理論的推測ができた。それらの結果を口唇裂患児の口唇突出動作時における口唇および鼻部の変形の特徴に照らし合わせることで検証を行うことができた。得られた成果は今後の口唇裂治療において筋肉の作用機序を考慮した術式改善につながり、患児のより表情豊かな自然に見える治療結果を得るための糸口となると考えている。
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