研究課題/領域番号 |
19K06884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
矢和多 智 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90455246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | イメージング / 可塑性 / 線条体 / 神経活動 / 細胞内シグナル / 内視鏡 / 報酬学習 |
研究開始時の研究の概要 |
タッチパネル式オペラント学習装置を用い、行動と報酬を関連付ける学習を行わせる。課題の推移と神経活動の関係を解析し、各々の細胞が担う情報がどのように変遷するかを観察する。また学習獲得に伴う可塑性シグナルの変化を観察し、「どの神経細胞にどのタイミングで可塑性関連シグナルが誘導され、どのように神経情報が書き換えられていくか」を解明する。逆転学習では報酬と関連付けられた視覚刺激を変更することにより、環境の変化に対応するために脳内でどのような神経情報の更新が行われているのかを解析する。
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研究成果の概要 |
神経細胞においてその応答性が変化すること、すなわち可塑性が記憶や学習の基盤であると考えられている。本研究では、これまで開発を続けてきた内視顕微鏡を用い、自由行動中動物の線条体より可塑性関連分子であるERKの活性の計測を行い、生体におけるERK活性の動態について解析を行った。線条体の2種類の出力細胞である、直接路細胞および間接路細胞を選択的に観察したところ、どちらの細胞群も非常に短時間の活性を繰り返していることが分かった。また、薬理学的手法および電極刺激を組み合わせることにより、これらの反応が、グルタミン酸性入力とドーパミン性入力の組み合わせにより誘導されていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、自由行動中動物から「可塑性」をイメージングできる新しい計測技術の開発を進めた。記憶や学習の獲得において、いつ、どのような神経細胞で、どのような可塑性により、どのように神経情報が修飾・修正されていくかを観察することが可能となった。また、この技術は細胞内シグナル分子の活性を生体内からリアルタイムに計測できる技術であり、神経の情報処理機構の解明においてのみならず、病態モデルマウスの解析や薬物動態の解析にも利用可能な重要な技術である。
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