研究課題/領域番号 |
19K06887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
玉川 直 (中川直 / 中川 直) 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20611065)
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研究分担者 |
水野 秀信 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (00567159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | gap junction / 大脳皮質 / 同期活動 / 回路形成 / gap junctionネットワーク / 発達期 / 神経回路形成 / 細胞種特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳皮質の興奮性細胞には複数の種類が存在し、それぞれ独自の神経回路を持つことで高度な脳機能を形作っていると考えられる。こうした細胞種特異的な神経回路が作られるメカニズムはよくわかっていない。応募者らは最近、生後1週の発達期マウス大脳皮質において、第5層の2種類の主要な興奮性細胞が同種の細胞と選択的にgap junction(GJ)で結合する精密なネットワークを持つことを明らかにした。GJネットワークは生後2週目に消失したことから、大脳皮質の神経回路形成に特化した機能を持つことが期待される。本研究課題では、細胞種特異的な神経回路形成におけるGJネットワークの役割を解き明かす。
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研究成果の概要 |
応募者らは近年、生後1週の発達期マウスにおいて、大脳皮質の興奮性細胞が同種の細胞と選択的にgap junctionで結合する精密なネットワークを持つこと(Science, 358, 610, 2017)、またgap junctionで結合する細胞同士の活動レベルは均一化されることを明らかにした(Neuroscience, 406, 554, 2019)。活動レベル制御の回路形成への寄与を知るべく、Cav1.2を第2/3層細胞に強制発現させて人為的に亢進したところ、細胞移動と脳梁軸索投射を傷害した。本研究結果は2021年末にFrontiers in Neuroscience誌に論文発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、神経回路の発達時期に細胞内Ca2+シグナルが適切に調節されている必要があることを明らかにした。gap junctionはCa2+を含むイオンと小分子を通す細胞間結合であることから、細胞内Ca2+シグナルを調節することで神経回路形成を制御していることが期待される。gap junctionを構成するコネキシン遺伝子は自閉症のde novo変異遺伝子の1つであり、またてんかんとの関連もよく知られている。発達期のgap junctionネットワークの異常は大脳皮質の回路形成異常を介して疾患脳に至る可能性が示唆され、今後の研究により発症機序の解明や予防・治療法の開発につながることが期待される。
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