研究課題/領域番号 |
19K06889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
山口 宜秀 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (50311832)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 翻訳リードスルー / 髄鞘 / リン酸化 / タンパク質キナーゼC / シャルコー・マリー・トゥース病 / 脳・神経 / ミエリン / 細胞接着 / PKC / リードスルー / 翻訳 |
研究開始時の研究の概要 |
翻訳リードスルー(正統な終止コドンの読み飛ばし)は、mRNAにコードされた正統な分子とともにC末部に付加ドメインを持つ分子を産生する翻訳制御システムである。高等動物におけるこのシステムの存在意義や産生制御機構の詳細は未だ不明である。そこで末梢神経系ミエリンに存在するリードスルー産物である large myelin protein zero (L-MPZ) を中心に、生体内でリードスルー産物の産生量や性質を変化させた場合の影響の解析や培養細胞強制発現系を用いた解析などにより、高等動物神経系における翻訳リードスルー分子産生メカニズムおよびその生理的意義を解明する。
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研究成果の概要 |
翻訳リードスルーは、mRNAにコードされた正統な分子と共にC末部に付加ドメインを持つ分子を産生する翻訳制御システムである。本研究では、高等動物神経系の生理的翻訳リードスルー機構の存在意義を解明するために、末梢神経髄鞘に存在する翻訳リードスルー分子L-MPZの遺伝子改変マウスや培養細胞強制発現系を用いた解析を行った。その結果、髄鞘機能には適正量のリードスルー産物が必要であり、またその特異的付加ドメインのリン酸化が重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
翻訳リードスルーはヒトを含めた哺乳類にも存在するシステムとして注目されている。また特に近年、様々な生理的機能に関わるタンパク質の機能調節メカニズムとして翻訳時の制御機構が新たに見出されている。本研究では、適正量のリードスルー産物が正常な神経機能に必要であり、これらの破綻が病気を引き起こす可能性を示した。高等動物神経系における遺伝子機能調節としての生理的な翻訳リードスルー機構の研究は、将来的に基礎研究だけでなく神経系疾患の研究にも役立つと考えられる。
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