研究課題/領域番号 |
19K06893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
横井 紀彦 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 助教 (50710969)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | てんかん / LGI1 / ADAM22 / リン酸化 / 蛋白質複合体 / 神経回路 / 蛋白質分解 / シナプス / シナプス伝達 / 蛋白質合成 |
研究開始時の研究の概要 |
シナプス伝達のバランスの破綻はてんかん、統合失調症等の脳神経疾患を誘引すると考えられており、脳の興奮性を決定する分子機構の解明は基礎・応用研究の両面で重要な課題といえる。これまでに我々は神経分泌蛋白質LGI1とその受容体ADAM22が脳の興奮性を制御することを報告してきた。本研究では、LGI1/ADAM22複合体を鍵分子として、「脳の興奮性を制御する分子機構の解明」を目指す。
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研究成果の概要 |
我々はこれまでに、分泌蛋白質LGI1と膜蛋白質ADAM22の複合体の減少が、てんかんの原因になることを報告してきた。本研究では、マウス脳内でのADAM22のリン酸化によって、LGI1-ADAM22複合体が安定化されることを明らかにした。さらに、様々なマウス系統群の解析により、てんかん発症を抑制するADAM22とLGI1の量を見出した。以上のことから、脳内のLGI1-ADAM22複合体の増加が抗てんかん作用に繋がると考えられ、ADAM22のリン酸化制御がそのための有用な戦略になると期待される(Yokoi et al. Cell. Rep. 2021)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかんはおよそ1%の人が罹患する脳神経疾患で、その主な原因は脳の異常興奮にあると考えられている。いまだ30%近くのてんかんは難治性てんかんと言われており、従来とは異なる作用機序を有する抗てんかん薬の開発が求められている。てんかん関連遺伝子産物の大部分がチャネル蛋白質である一方、LGI1とADAM22はリガンドと受容体であり、この複合体の解析が新たなてんかん治療戦略に繋がると期待されている。本研究ではADAM22のリン酸化がLGI1-ADAM22複合体を安定化させて、抗てんかん作用を発揮することを見いだした。このリン酸化を標的とした新たなてんかん治療戦略の開発が期待されることになった。
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