研究課題
基盤研究(C)
脳老化に起因する神経変性疾患の多くは、特定タンパク質の機能低下あるいは毒性獲得などに誘発される可能性が指摘されている。申請者は、タウ毒性伝播仮説の検証と毒性制御メカニズムの解明を目指し、生体イメージング技術を用いたタウタンパク質毒性メカニズムの探索とタウオパチーの治療薬開発を進めている。本研究では、タウ毒性伝播メカニズムの解明にむけて、独自のタウ凝集伝播の細胞・動物モデルを構築し、タンパク質凝集過程、細胞死、凝集タンパク質伝播過程などについて生体イメージング技術を用いて検証し、毒性分子種の同定とタウ伝播を抑制しうる治療薬の開発を目指す。
本研究では、プリオン様伝播を呈するタウ凝集形成細胞モデルを構築し、動物実験の前段階としての治療薬評価系を確立した。また、独自のタウ凝集伝播動物モデルの構築のため、新規ノックイン型タウ発現マウスモデルを作出し凝集線維注入による病態惹起モデルを開発した。一方で、タウ毒性メカニズムの一端を明らかにするため、タウ病理と神経炎症の関連性についてマウスモデルにおける解析を進め、タウ病態形成早期におけるミクログリアの動態変化を明らかにした。神経細胞自律的あるいは細胞非自律的な毒性制御メカニズムを探る上で、タウ病態を呈する細胞・動物モデルは必須であり、現在、これらのモデルを用いた治療標的の探索を進めている。
アルツハイマー病を代表とする多くの認知症では、タウ蛋白質の細胞内沈着を病理学的特徴としたタウオパチーと呼ばれる疾患群が存在し、タウ病態は神経細胞死と密接に関係している。タウ病態の進行を食い止める方法を確立することが、多くの認知症の治療に結びつくと考えられることから、本研究で掲げたタウ毒性制御メカニズムの解明は直近の課題であると言える。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 15件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件)
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