研究課題/領域番号 |
19K06898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
長友 克広 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30542568)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ドーパミン受容体 / アストロサイト / ドーパミン / カルシウムイメージング / パッチクランプ |
研究開始時の研究の概要 |
報酬や運動制御に重要とされるドーパミンの受容体分布を成熟マウスの線条体,黒質網様部,皮質視覚野から急性単離したアストロサイトについて調べたところ,それぞれの領域で異なる分布を示した。極めて驚いたことに,線条体アストロサイトでは,細胞内シグナルが正反対のドーパミン受容体(DR)を単一細胞の異なるプロセス(極細細胞突起)に発現する可能性が出てきたことである。そこで,DRを発現する細胞が蛍光標識される遺伝子組換えマウスを利用し,線条体アストロサイトのプロセス別にDRサブタイプを発現する可能性を検証し,プロセス別にドーパミン応答を示すのか種々の方法で解析する。
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研究成果の概要 |
成体マウスから急性単離した細胞のドーパミン受容体発現解析を行ったところ、線条体アストロサイトのプロセスにDrd1およびDrd2の発現が認められ、プロセス毎に異なるドーパミン受容体を発現している可能性が示唆された。そこで、プロセス毎のドーパミン受容体機能解析を目的とした。標的とするアストロサイトを効率よく見出すことができず、異なるベンダーのGFAP抗体で脳スライスを免疫染色したところ、GFAPを発現するアストロサイトが線条体には非常に少ないことがわかり、急性単離法によるアプローチを取り止めた。改めて、急性単離した状態から初代培養に持ち込むことで機能解析することとして実験を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動調節機能などを司る大脳基底核のうち、線条体を構成するほとんどの細胞は神経伝達物質であるドーパミン(DA)によって調節を受ける。線条体を構成する細胞のうち、アストロサイトの極細細胞突起に、細胞内シグナルが正反対のDA受容体が存在する可能性が示唆された。この特殊なアストロサイトのドーパミン受容体機能を解析する研究である。両受容体が機能しているとすれば、単体の細胞で1つの神経伝達物質を受容して、異なる情報出力をすることから、線条体では情報伝達のハブとして機能していることが予想される。また、将来的に、脳機能を模して開発された現存のコンピュータを、さらに進化させる基盤研究となる可能性がある。
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