研究課題/領域番号 |
19K06900
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
定方 哲史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90391961)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | PHYHIPL / Synaptotagmin I / Semaphorin 4C / SNP / cerebellum / 本態性振戦 / ARF4 / ARF5 / ARF / Nav1.6 / tremor |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はクラスII ARF KOマウスを用い、クラスII ARFの膜輸送における働き、および、クラスII ARF依存的な輸送の障害と振戦発症との関係を明らかにする計画である。 (1)クラスII ARFの膜輸送における働きに関しては、Nav1.6の軸索起始部への輸送メカニズムの詳細を初代培養や結合タンパク質を利用したアッセイ系で明らかにする。 (2)振戦発症メカニズムに関しては、解剖学的・生理学的解析の他に、振戦以外の患者に処方される各種薬剤を利用し、より振戦の特徴を明確なものにする。また、ウイルスによりKOマウスの小脳プルキンエ細胞特異的にクラスII ARFを発現させ、振戦への影響を調べる。
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研究実績の概要 |
SNPの中には、多数の健常者においてヘテロで同定されているにも関わらず、ホモで有する健常者が同定されていないものがある。ホモで有する場合、何らかの疾患を発症するためと考えられる。以下の3つのSNPは、神経にほぼ特異的な発現を示す遺伝子の変異であり、ヘテロで有する健常者が多数同定されているにも関わらず、ホモで有する健常者は見つかっていない。 (1) Synaptotagmin Iは、小胞が分泌する際のカルシウムセンサータンパク質である。遺伝子解析において、199番目のアルギニンが終止コドンに置き換わる点変異が同定されている(この変異によりカルシウムセンサーとして重要なC2Aドメインの途中で終止コドンが入る)。この変異を挿入したマウスを作製したところ、ホモ接合体は全身欠失変異マウス以上に重篤な形質を示した。 (2) Semaphorin 4Cは、Plexin-B2と結合する一回膜貫通タンパク質であり、693番目のグルタミン酸が終止コドンに置き換わる点変異が同定されている。この変異により、PDZドメイン等を含む細胞内領域がほぼ完全に欠失する。 (3) phytanoyl-CoA 2-hydroxylase interacting protein-like (PHYHIPL)は脳に特異的な発現を示すが機能不明の遺伝子である。開始コドン直後の19番目のセリンが終止コドンに置き換わる点変異が同定されている。 我々はCRISPR/Cas9システムによりPHYHIPLのヒトで同定された変異を導入したマウスを作製し、解析を行った。その結果、このマウスは小脳プルキンエ細胞の形態の異常、プルキンエ細胞に投射する登上線維の異常、プルキンエ細胞に投射する抑制性シナプスの減少、小脳性強調運動の異常を示した。これらの結果から、この変異は何らかの小脳関連疾患の原因である可能性が示唆された。
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