研究課題/領域番号 |
19K06913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 帝京大学 (2022) 東洋大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
吉田 崇将 帝京大学, 医学部, 助教 (50525904)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 感覚統合 / 広域カルシウムイメージング / 多波長蛍光イメージング / マウス / 大脳皮質 / 二肢強制選択課題 / 視聴覚弁別課題 / カルシウムイメージング / 脳内ネットワーク / 因果性解析 / マウス大脳皮質 / 二肢強制選択タスク / 視聴覚弁別タスク |
研究開始時の研究の概要 |
感覚統合は我々の知覚を豊かにする基本的な機能であるが、脳内のどこでどのように行われているかについては未だ不明である。本研究では、感覚統合が生じている瞬間のマウスの大脳皮質の神経活動を広域イメージングすることで、機能的な感覚統合の神経メカニズムの解明に挑戦する。具体的には、大脳皮質の興奮性ニューロンにカルシウム感受性蛍光タンパク質を発現する遺伝子改変マウスを用い、マクロ顕微鏡下において頭部を固定した状態で視覚と聴覚の感覚統合を惹起する行動タスクを行わせ、タスク遂行中のマウスの大脳皮質全体を広域カルシウムイメージングすることで、感覚統合に関連する神経活動や責任領域を探索する。
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研究実績の概要 |
本研究では、マウスの大脳皮質全体にわたる神経活動を広域カルシウムイメージングを用いて、機能的な感覚統合を誘導するオペラント行動課題を遂行中の脳活動を可視化し、感覚統合の神経相関や皮質ネットワークの変化を捉えることを目指している。2022年度は、頭部固定型の視聴覚弁別課題システムを構築し、ヘッドプレートを装着したマウスを使ってシステムの評価・検証を行った。リッキング検出部の機械設計やタスクシーケンスの制御などに改善の余地があり、継続的に取り組む必要がある。イメージング用のEmx1-YCマウスは、改めて凍結精子から個体を起こし、飼育維持しているので次年度も継続的に使用できる。また、最近の研究で、大脳皮質の連合野における抑制性ニューロンのはたらきと感覚統合の関連が示唆されており、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの両方の活動を同時に測定できる広域カルシウムイメージングのシステムが必要であると考え、これを実現するための多波長蛍光イメージングシステムを考案し、試作した。このシステムでは、3波長の蛍光イメージを同時に取得できる。興奮性ニューロン特異的にYC(2波長の蛍光カルシウムセンサー)を発現し、抑制性ニューロン特異的にRCaMP系のカルシウムセンサーを発現するようなマウスを用意することで、興奮性/抑制性ネットワークの同時イメージングが可能になる。これにより、感覚統合の神経メカニズムをより詳細に調べられるようになると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属機関を移籍し、動物実験計画および遺伝子組換えマウスの使用に関する学内の承認申請手続きを含む研究実施体制の整備を行なった。これら手続きや作業に半年程度かかり、その後にイメージングに必要なEmx1-YCマウスを凍結精子から個体を起こしたので、さらに4ヶ月程度かかった。これらを待つ間に多波長蛍光イメージングシステムの試作やタスクシステムの改修などを実施したが、前年度までの新型コロナウイルス感染症の影響も積み重なり、当初の目標より大幅な遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
目標①:頭部固定式の二肢強制選択課題システムの構築とマウスを用いたシステム評価・検証および最適化。(安定動作版の作製と多チャンネル化を実施する。) 目標②:構築した課題システムを用いて、マウスに視聴覚弁別課題を学習させ、想定通り感覚統合を誘導できるかを検証。 目標③:Emx1-YC2.60マウスを用いた課題遂行中の大脳皮質イメージング。(Emx1-Creマウスに関しては、2022年度に凍結精子から起こした個体を継続飼育しているので、これを使用する。) 目標④:ここまで遂行できた時点で、2021年度までに検討を進めた大脳皮質ネットワークの解析手法を用いて、感覚統合時のネットワーク構造の変化を可視化する。
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